「All my treasures」の概要
「All my treasures」は、2007年にリリースされた織田裕二さんのシングル曲です。
TBS系でテレビ放送されている陸上の国際大会「世界陸上」のテーマソングとしてもお馴染みとなっています。
もともと2005年の大会で本作がイメージソングとなり、その後の2007年大阪大会にて公式ソングとなりました。
そこから、それ以降の大会にもイメージソングとして採用され続けています。
「世界陸上」と言えば織田裕二さんと中井美穂さんのコンビによる司会も見どころの一つ。
競技はもちろん、織田さんの喋りと「All my treasures」のサウンドを楽しみにしているファンの方も多いはずです。
「All my treasures」の歌詞をチェック(1コーラス目)
まだ見ぬ「未来」
一秒先の未来ですら
本当は誰もわからない
今ここでできることは
諦めないとか信じることとか
出典: All my treasures/作詞:溝下創,広保宣 作曲:溝下創
曲冒頭にあたる部分の歌詞です。
ここで登場する「一秒先の未来」という言葉は、「一秒を争う世界」とも言える陸上競技を連想させます。
「世界陸上」に出場するアスリートをはじめとして、自分の目標に向かって努力を続ける沢山の人たち。
そんな皆さんは、先の見えない未来だからこそ今この瞬間を大切にして、自分に出来ることを精一杯やります。
たとえなかなか成果が出なくても諦めず、いつか花が咲くことを信じて小さな行動を積み重ねていくのです。
ここで語られているように、未来は誰にもわからないもの。
だから、先の事をあれこれと心配したり、行き過ぎた疑いは不要である、とこの主人公は語ります。
これはなにもアスリートや夢を抱く人に限った話ではなく、この世に生きている人すべてに当てはまることです。
とにかく現在が大切であり、その現在を思いっきり自分らしく生きていこう、という心意気が歌詞となっています。
出会った人、出会わなかった人
僕の目の前いろんな人が
ぶつかりそうにすれ違ってく
迷子になりそうな時も
あの頃はあったけれど
出典: All my treasures/作詞:溝下創,広保宣 作曲:溝下創
毎日を暮らしていると、「自分」とは別に存在する「自分以外」の人々が持つ世界のことを考えさせられます。
日常の中で交差するそんな人々との出会いを表現するのは、「ぶつかりそうに」という言葉です。
出会った人、出会わなかった人、そしてこれから出会う人など、沢山の人が自分の人生に彩りを与えてくれます。
また、他人からの言葉に感銘を受けたり、誰かの生き方をうらやましく思って自分がみじめに思えたり。
時として、人との出会いは自らの生き方にも影響を及ぼします。
ここでの主人公が「迷子になりそうな時」と形容するそんな時期を誰もが経験し、少しずつ人としての深みを増していきます。
「同じ夢」とは?
同じこの時代に
僕らは出会えた
同じ夢 叶えられたら
素敵じゃないかな
出典: All my treasures/作詞:溝下創,広保宣 作曲:溝下創
生まれてから亡くなるまでの間、自分と同じようにこの世に生を受け、同じように過ごす人々が居ます。
既に述べたように、直接的に出会った人も、また出会っていない人も、すべては同じ期間を共に生きる仲間なのです。
ここで語られる「夢」とは、個人が持つ目標や願望よりも、もう少しだけ大きなスケールのもの。
突き詰めて言えば「楽しく暮らすこと」を指しているように感じます。
そんな「人類愛」のようなものが本作のテーマになっていて、それをここでは「同じ夢」という言葉で表現しています。
最後にある「素敵じゃないかな」は、織田さんのキャラクターに合った言い回しです。
「笑顔」が宝物
あなたが笑ってくれる
それだけが僕の
All my treasures
どんなに辛い時でも
ずっと抱き続けて
あぁ 子供の頃に
見上げてた空は
All my treasures
今でも変わらずにこの手を
伸ばしているから
出典: All my treasures/作詞:溝下創,広保宣 作曲:溝下創
サビ部分にあたる歌詞です。
「treasures」は「宝物」を表す言葉で、ここでは「笑顔こそが宝物である」ということが語られています。
「あなた」という言葉から特定の誰かを連想することもできますが、前述の解釈を流用すれば、あなたは「同時代の仲間」です。
「辛い時」でも、自分以外の誰かの笑顔によってそれを乗り越えることが出来る。
自分の為だけに日々を送るのではなく、自分以外の誰かが作る笑顔の為に人は生きるのです。
それは「見上げてた空」のように、一生をかけて追い求めていきたいもの。
あの頃と変わらない気持ちで、そんな夢を追い求めて暮らしていく姿が描かれています。