2人が乗っています
果てしない夢を抱いて
ペンを持って泣いていますわたしは港
出典: 最愛/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
主人公の我慢していた感情が遂にはちきれてしまいました。
やはり女性のやせ我慢は、無理があるようです。
2人の様子をつぶさに見てしまったからでしょう。涙が留まることなく頬を濡らします。
大好きだった男性が他の女性と仲良くしているシーンは主人公にとったら残酷でした。
見てはいけないものを見てしまった心境は何物にも例えられません。
自分自身が悲劇の主人公になったかのように、しばらく泣き続けるしかありませんでした。
主人公のやるせない気持ちは次の歌詞へと続きます。
主人公の本心
誰にも言えない好意の理由とは
2番目に好きな人3番目に好きな人
その人なりに愛せるでしょう
でも1番に好きだったのは
わたし誰にも言わないけど死ぬまで貴方
出典: 最愛/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
主人公の女性は、やはりこの男性のことを最も愛していたのです。
ただ、歌詞中からは主人公と男性との関係については触れられていません。
実際に付き合っていたのか、それともただの片思いだったのか。
それでもそんなことはどうでもいいくらい、主人公は嘆き悲しんでいるのです。
この先、主人公の女性は別の男性と結ばれて結婚することにもなるでしょう。
それでも相手の男性には秘密にしておくほど、この別れてゆく男性のことが忘れられないのです。
これほど恋の炎が燃え盛るのですから、主人公は恋愛経験の少ない10代の女性なのかも分かりません。
好きになったら脇目もふらず、恋の炎が燃え盛る年代。
主人公が男性に対して並々ならぬ好意を寄せた理由とは。
それはまさしく、若さゆえの恋の炎だったのでしょう。
主人公は、そのような時間を生きているうら若き乙女だったのです。
見送る主人公に隠された真の愛情とは
主人公の女性が持っていた男性への真の愛情。
それは別れの瞬間が迫ってきた今になって、主人公の心の中に芽生えてきました。
ここまでの歌詞中には、主人公と男性との関係を読み解く描写はありません。
実際に付き合っていたかどうかも不明の2人の関係。
それでもこの男性は、生まれて初めて好きになったたった1人のかけがえのない人物だったのです。
異性を好きになるという感情を初めて知らしめてくれた人だったのです。
あの時感じた感情の高まりと激しい胸の鼓動は一生、忘れられないものだったからです。
じっと傍から見ているだけで幸せな気分に浸らせてくれる。
それがこの男性だけから感じるものだったのです。
そして主人公に隠された真の愛情の気持ちは2番の歌詞へと継がれていきます。
思いやりは思惑違いに?
彼女がデッキに出て潮風にそよんでいる
今のうちにそっと点いて
メッセージランプはブルー
「わたしは他に好きな相手が沢山います
だからその方を幸せにしてあげてください」
出典: 最愛/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
きっと主人公の女性は思いやりのつもりで行ったのでしょう。
船から確認できる伝言は電光掲示板に灯されるようです。
しかし、この文言を見たら男性の相手の女性はどう思うでしょうか?
果たして祝福の合図と取ってくれるでしょうか?
見ず知らずの人からこのような伝言をもらったら、きっといぶかしさを感じるでしょう。
または誰か別の人に宛てた伝言と思うでしょう。
主人公の送った伝言は、それほどインパクトがあります。
思いやりのつもりで送った伝言。
しかし世の中は、主人公の考えた思惑通りには受け取ってくれない可能性が高そうです。
そして歌詞は1番のサビを続けます。
さらにサビの部分を繰り返して「最愛」は演奏を終了します。
主人公と男性の関係
最初から最後まで片思いだった?
「最愛」は、主人公の強烈なメッセージを残して曲の演奏を終わります。
曲調はいたってスローでバラードチック。
大人のシンガーを目指していた柏原芳恵さんにとってはうってつけの1曲だったでしょう。
さて主人公となる女性と歌詞に登場する男性。果たして顔見知りだったのでしょうか?
それとも主人公の一方的な片思いだったのでしょうか?
歌詞中には両者の関係を暗示する部分は見当たりません。
それなのに主人公は「最愛」という言葉を使って男性への思いを込めています。
ただ、歌詞から受け取るイメージはたった1つではありません。
主人公の女性は、密かな思いを胸にしまいながらこの男性と何気なく毎日を過ごしていたのでしょう。
いつか自分の願いが叶う日が来ることを祈って。
主人公の淡い恋心は、初恋のように鮮明だったのでしょう。