いつかの夢を思い出す

BAN'S ENCOUNTER【星に願いを】MVを徹底解説!青い光に包まれた演奏シーンを堪能しよう!の画像

『星に願いを』は、BAN’S ENCOUNTERの2枚目のアルバム『おはよう、おやすみ。』に収録されています。

何気ない日常とありふれた毎日。

特別なことなど何もない日々の中で願った夢は、きっと星のように輝いていたことでしょう。

青春時代に描いた夢は、幻のようにぼんやりしていたかもしれません。

しかし、それはかけがえのない思い出となって、いまも夜空に瞬いています。

平凡な毎日に退屈しながらも、どこか満たされた気持ちでいたのは、きっと「君」と語り合える夢があったから。

朝がきたら消えてしまう星も、また夜には輝きを取り戻す。

それと同じように、青春時代の夢は何度でも輝きます。

いつかの夜、満天の星に願った1つの夢。

それを思い出させてくれる曲です。

星と青春の輝き

音量を抑えて静かに始まるイントロは、まるで星が出るのをじっと待っているかのような雰囲気があります。

夕方から夜にかけての曖昧な時間。

空には、1つ、2つと星が姿を現し始めているかもしれません。

しかし、その輝きはまだ弱く、願いをかけるにはあまりにも頼りない。

もっと夜の色が濃くなって、星が本来の輝きを取り戻すまであと少し。

イントロは、その瞬間を待っている様子なのでしょう。

この曲は、日暮れと共に始まり、夜明けと共に終わります。

それは、夢のようにも思える一夜の出来事。

幻想的で、でもどこかリアリティのある世界になっています。

「あの日の約束」が瞬いている

「君と語り合った」や「あの日の約束」など、過去を連想させるフレーズが多いこの曲。

おそらく、青春時代の思い出について歌っているのでしょう。

まだ幼く、純粋だったあの頃。

この曲の「僕」と「君」は、大切な約束を交わしたようです。

その約束は、もしかしたらまだ果たせていないのかも。

しかし、この曲に「いまさら」や「遅い」などという言葉は出てきません。

夜の訪れと共に輝きを取り戻す星のように、「僕」と「君」の約束も消えたりしない。

あの頃と何も変わらない星空を見上げるたび、「僕」は「君」との約束を思い出しているはずです。

ありふれた毎日がかけがえのない日々だと思える。

それはきっと、「あの日の約束」が胸の中で瞬いているからなのではないでしょうか?

本当に叶えたかった願い

流れ星に願い事をすると叶うというのは、よく聞く話です。

しかし、この曲で歌われている『星に願いを』は、流れ星に唱えた願い事ではないように思います。

「僕」が星を眺めて想っていたこと。

そして、「僕」が本当に叶えたかった願い。

それらを考察すると、タイトルに込められた想いが伝わってきました。

明日も君と過ごしていたい

「僕」は星を眺めながら「いつも通りの朝」を待っています。

特別な何かを期待しているわけではない。

今日と変わらない日常を、明日も生きていくだけ。

「僕」はそんな毎日を楽しんでいるようです。

人によっては退屈に感じるかもしれない生活でも、「僕」にとってはかけがえのない日々。

それはきっと、今日と変わらない明日に「君」の存在があるからでしょう。

ありふれた毎日の中に「君」と語り合える夢がある。

だから「僕」は「いつも通りの朝」を望んでいるのかもしれません。

「僕」が星を眺めて想っていたこと。

それは、明日君と何をして過ごすかということだったのではないでしょうか?

「君」の特別になりたい

サビの歌詞で「君の夢のひとつになれたら」と歌われています。

「僕」がなりたかったものは、きっと「君」にとっての特別な存在だったのでしょう。

2人で星を見上げていたとき、「君」は自分の夢を願っていたはず。

しかし、「僕」が願っていたのは「君」のことだったのかもしれません。

君の夢が叶いますように。

君とずっと一緒にいられますように。

そして、君の特別になれますように。

「僕」と「君」が見ていたのは、一瞬で消えてしまう流れ星ではなく、毎晩変わらずに輝いている夜空の星。

「君」の美しい思い出の1つに自分の存在があってほしい。

『星に願いを』には、そんな想いが込められているように思います。

青い光が意味しているもの

このMVの世界を包んでいる青い光。

なぜ、星の輝きを青で表現したのでしょうか?

「僕」と「君」の青春の日々について考察しながら、青い光の意味を解説していきます。

星の光に飲み込まれる