名曲「なごり雪」、まずはお聴きください!

イルカ「なごり雪」ってどんな雪?!伊勢正三が手がけた永遠の名曲!歌詞の意味を紐解いてみた!の画像

イルカさんの歌う、「なごり雪」です。

名曲を特集した歌番組などでは、必ずといっていいほど紹介される曲なので、幅広い世代に知られていますよね。

この「なごり雪」、原曲を歌っていたのは別の人だった、って知ってましたか?

そんな昭和を代表する名曲、「なごり雪」について詳しく見ていきましょう♪

「なごり雪」ってどんな曲?

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1974年、フォークグループ『かぐや姫』のアルバム『三階建の詩』の収録曲として発表されました。

メンバーは、リーダーの南こうせつ(ギター)、山田パンダ(ベース)、伊勢正三(ギター)の3人

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%81%90%E3%82%84%E5%A7%AB_(%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97)

「22才の別れ」や「神田川」などのヒット曲があり、「なごり雪」が収録された『三階建の詩』も、オリコンアルバムチャートで1位、年間チャートでも5位にランクインしています。

当時を知る往年の方々には何を今更…と思われそうですが、とても人気があるグループだったんですね!

それぞれが作詞作曲を担当し、リードボーカルを取ることができますが、今回ご紹介している「なごり雪」は伊勢正三さんが作詞作曲を手がけた曲です。

イルカさんのカバーバージョンが大ヒット!

『三階建の詩』をリリースした翌年、レコード会社への不信感などから、かぐや姫が解散。

最後にリリースしたアルバムがオリコンチャートの100位圏内に186週ランクインし続けるという、人気絶頂での解散でした。

解散後、伊勢正三さんと旧知の仲だったイルカさんのプロデューサーから、「なごり雪をカバーさせて欲しい」と依頼されたそうです。

そこで、ファンから根強い人気があったものの、かぐや姫としてシングルカットしていなかった「なごり雪」を提供する流れになりました。

そして1975年、イルカさんのカバーによるシングル「なごり雪」をリリース、大ヒットするのです。

最初は歌うことをためらっていた?

かぐや姫が歌った原曲の「なごり雪」は、アルバム曲でありながら、ファンからとても人気のある曲でした。

それを知っていたイルカさんは「かぐや姫のイメージを壊したくない」と、最初は自分が歌うことをためらっていたそうです。

もし当時のイルカさんが歌わなければ、かぐや姫ファンの思い出の曲、で終わっていたかもしれません。

また、「なごり雪」のイメージがイルカさんの歌声にぴったりハマっていたからこそ、ここまで世に広まり、現在まで歌い継がれる名曲になったのでしょうね。

世代を越えて共感される歌詞

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おそらく、上京して出会った大学生が主人公ですよね。

大学を卒業して故郷に帰る「君」を、東京に残る「ぼく」が駅まで見送りにきている場面です。

歌詞の舞台は東京ですが、作者の伊勢正三さんは故郷の大分県の津久見駅をモチーフにしているそうです。

場所が東京でなくとも、恋愛だけでなくとも、様々な場面で、様々な別れの曲としても受け取れるものがありますよね。

二度と会うことがないかもしれない別れ

汽車を待つ君の横で
ぼくは時計を気にしてる
季節はずれの雪が降ってる
「東京で見る雪はこれが最後ね」と
さみしそうに 君がつぶやく
なごり雪も 降る時を知り
ふざけすぎた 季節のあとで
今 春が来て 君はきれいになった
去年よりずっと きれいになった

出典: なごり雪/作詞:伊勢正三 作曲:伊勢正三

当時の時代背景を考えると、九州や東北新幹線なども全線開通していないはずですし、もちろん格安航空もなかった時代ですよね。

各駅停車を乗り継いだり、夜行列車に乗ったり、本州との橋やトンネルがなく、連絡船やフェリーを使わなければならなかったり。

当時の地方出身者にとっての東京は、現在よりも気軽に行ける場所ではなかったのだと思います。

地元に戻ってしまえば、もう一度東京で生活することはもちろん、もう二度と遊びに行くことすらないかもしれない。

きっと、君もぼくも、いつか来る別れや、その後の将来のことを考えないようにして、東京で出会ったふたりの刹那的な恋愛を謳歌していたのではないでしょうか。

それぞれの歩む道が違ってしまったふたり