aiko「二人の形」
今回は、aikoの「二人の形」をご紹介します。
2000年発売のメジャー2ndアルバム『桜の木の下』に収録されている楽曲です。
まず冒頭、ドラムのフェードインとともに聞こえてくるのはaikoらしいピアノのサウンド。
そこへaikoのボーカルが自然と入り込んできます。
甘さと力強さが共存する彼女のボーカルが、彼女にしか書けない恋愛についての歌詞に説得力を持たせるのです。
今回は、そんなaikoの「二人の形」の歌詞の意味を考察していく記事です。
こちらは、aikoらしい恋愛観の一部を知ることができる楽曲となっています。
早速、1番から順に見ていきましょう。
「二人の形」1番
心を暖めてほしい
ハンカチ1つ渇かないそんな心の中じゃ
見つかる物も見つかんないわ 少し暖めて下さい
出典: 二人の形/作詞:aiko 作曲:aiko
ここでは、主人公である女性の気持ちが書かれています。
心に寒さを感じているようです。
その寒さというのも、濡れたハンカチが乾かないほどの寒さです。
彼女の心の中は、冬のように凍えているのでしょう。
そんな心のままでは、何かに集中するのさえ難しい。
考えも上手くまとまらないから、探し物にも集中できないのです。
だから、彼女は温もりを求めているのでしょう。
自分の心を暖めてくれる存在に助けを求めています。
恋人への募る想い
あなたののどを流れる息にあたしの前髪が揺れる
季節変わっても時が経ってもあなたのそばにいたい
出典: 二人の形/作詞:aiko 作曲:aiko
ここでいう「あなた」というのは主人公の恋人のことでしょう。
主人公よりも背が高い彼。
そんな彼の吐く息が、彼女の前髪に当たっている様子が1行目では描かれているのでしょう。
2人がぴったりと寄り添っている様子が目に浮かびます。
そして、2行目ではそんな彼への強い想いが感じられる表現です。
どれだけ時間が流れても、彼と一緒に添い遂げたい。
一緒に年老いていくことさえ想像しているのでしょう。
そんな長い年月を考えられるほど、主人公は彼のことを愛しているのでしょう。
「二人の形」サビ
自分しかいないなんて言えない
あなたにはあたししかいないなんて
そんな事は到底言えないけれど
出典: 二人の形/作詞:aiko 作曲:aiko
この「二人の形」という楽曲では、このサビの歌詞が何度も繰り返されます。
この歌詞がこの楽曲の核となっていることは間違いありません。
丁寧に解説していきましょう。
まず、最初の2行。
ここでは、主人公の気持ちが捉えやすい部分です。
主人公は、彼にとって自分が1番相応しいと確信できている訳ではないのです。
つまり、自分よりも彼に似合う人がいるかもしれない。
そんな気持ちが心のどこかにあるのでしょう。
彼が何処かに行ってしまうかもしれない。
そんな不安も、彼女の心のどこかにはあるのかもしれません。
自分には彼しかいない
今のあたしにはあなたしかいらない
見えない気持ちを信じて言える
出典: 二人の形/作詞:aiko 作曲:aiko