少女が抱える「罪」の意識
まだ行かないで 月光の結界で
過ちに気づいてしまいそう
安らかなぬくもりに抱かれ
壊れたい私は
罪の子なのでしょうか
出典: 聖少女領域/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也
自分を置いて去ろうとする男性を引き留めているのでしょうか。
壊れてしまわないように自分自身を守り続けて来た…。
それなのに、今はむしろ壊れてでも相手を受け入れたいと願っています。
これが少女の本心な気がしますね。
誰かの支えなしでは立ち上がれないほど、少女は消耗していたのかもしれません。
助けを求めているかのようにもみえます。
しかし、そんな自分に「罪」の意識を抱いているようです。
自分への厳しさや責任感が行き過ぎて、自分自身を傷つけていたのでしょうか?
自分は幸せになってはいけない。
そんな呪いのような自己嫌悪で無意識に痛めつけていたのかもしれません。
少女の本心
無意識に流れる涙の意味
そっと零れてくる
涙の意味さえわからない
出典: 聖少女領域/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也
突然溢れだす涙…。
少女はなぜ自分が泣いているのかすら分かりません。
それだけ長い間「自分の感情を抑制」し続けて来たということでしょう。
何度も抑え込み、何度も無理をするうちに、少女の感情は麻痺していきました。
愛されたい。
愛したい。
笑い合いたい。
涙を流し合いたい。
そんな当たり前の人間らしい感情を、少女は無理矢理消し去っていたのではないでしょうか。
少女の選んだ結末
もう云わないで 呪文めいたその言葉
"愛"なんて鎖のように重い
囁いて パパより優しいテノールで
どんな覚悟もできるならば
さあ誓ってよ その震える唇で
蜜を摘む狩人のときめき
攫っていい この深い胸の奥底を
射抜く勇気があるのならば
貴方 捕まえたらけして
逃がさないようにして
出典: 聖少女領域/作詞:宝野アリカ 作曲:片倉三起也
いつの間にか「愛」を求めることを諦めてしまった少女。
しかし、「愛」無しに生き抜くことはとても過酷です。
次第に疲れ果て、ボロボロに傷つき、その胸の内に入り込んでくれる人を望むようになります。
そんな時に少女のもとに現れたとある男性。
傷つきたくない。
でも愛されたい。
そんな2つの感情の狭間で揺れ動きながらも、最後はしっかりと男性を離さないで掴むことを決意しました。
「逃がさない」という表現が印象的ですが、これは相手を受け入れたということ。
少女にとって大きな一歩を踏み出したのではないでしょうか。
最後に
いかがでしたか?
宝野アリカさんの書く歌詞は文学的で、様々な解釈ができると思います。
その中でも、今回は特にシンプルに「主人公の心情」に注目してみました。
この楽曲で表現されている心情は、女性なら誰しもが少なからず持っているものかもしれませんね。
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