四六時中相手の事が気になっている様子が読み取れます。
生活の全てにおいて相手を見張っているのです。
実際に見張っているのはどちらなのでしょうか?
MVを見ていると、これは「女性側が男性を見張っている」という解釈ができます。
先ほどは男性が閉じ込めている表現でした。
でも、室内においては女性が男性を監視しているのです。
そんな「自分に気をかけてくれている状況」に、男性も喜んでいるのではないでしょうか。
やはりこの2人は、ちょっと歪んだ愛情ながらも幸せそうに見えます…。
猫のように睨む
そんな目で睨まないでよ
運命だって受け入れてみよう
全部終わって 余裕ができたら
噛みつきたくなるまで遊ぼう
出典: 愛の容器/作詞:みきとP 作曲:みきとP
ここでは「構ってほしい」と思う女性に対して、男性が語りかけているのだと思います。
ずっと部屋の中にいたら「誰かと話したい!」という気持ちが湧き上がってくるはず。
この女性は、男性1人にしかその想いを向けることができないのです。
だから、男性が作業をしている横で我慢するほかなく、じっと睨んでいる…。
これも猫のような表現ですね。
飼い主が何かに熱中しているとき、猫はこんな気持ちで待っているのでしょうか。
温かい思いやり
どれだけ汚したって
どれだけ壊したって
違うよ 君のせいじゃないよ
何もわからないまま
入れられたメスの光
少しずつ癒していこう
これからも この先も
出典: 愛の容器/作詞:みきとP 作曲:みきとP
MVでは少し衝撃的な映像が流れます。
焼き魚をぐちゃぐちゃにして、箸を刺しているのです。
これは女性の心理状態を表現しているのではないかと筆者は推測しました。
「メス」は手術において医師が使うもの。
何者かによって心に負った傷を、「メスを入れられた」と表現しているのではないでしょうか。
主人公は女性の心の状態のことを誰よりも気遣っているように見えます。
心の傷が原因でどんな過ちを犯したとしてもいい。
それは君のせいじゃないから。
一緒に少しずつ立ち直っていこうよ。
そんな温かい思いやりが感じられます。
ずっと一緒に
愛の容器満たしてあげる
心配なんてしなくてもいいよ
ここにあるのは ガラクタだけど
僕が君を守るから
そんな目で睨まないでよ
運命だって受け入れてみよう
全部終わって 余裕ができたら
噛みつきたくなるまで遊ぼう
動けなくなるまで食べよう
外の世界はこわいから
Hu… Wah…
出典: 愛の容器/作詞:みきとP 作曲:みきとP
飼い猫を可愛がる飼い主と、飼い主になついている猫。
その間には深い絆があります。
しかし、それを人間に置き換えて表現してみると、とても不思議な関係性であるのが分かってきますね。
愛情と独占欲と依存心と…様々な要素が複雑に絡み合って「信頼」や「安心感」が生まれているのです。
サビの最後では再度「外の世界へ行かないでほしい」という感情が呟かれています。
「自分のもとへいてほしい」という本心を隠し、「外は危ない」という建前を掲げて…。
「愛の容器」に込められた意味
依存的な関係性
この楽曲は依存的なカップルを題材に、様々な視点で見た「捉え方」を教えてくれている気がします。
歌詞から読み取った内容を振り返ってみましょう。
過度な依存は精神安定上、適切ではないという考え方があります。
この男女は「生活の全て」をともにしており、女性においては完全に自由を奪われていますね。
依存度はかなり高いといえます。
一見「不幸せ」なようにも見えるはず。
でも、猫に置き換えて考えるとどうでしょう?
人間はこの女性への対応と同じことを猫に行っています。
猫の場合は「不幸せ」と捉えることはほとんどないのではないでしょうか。
深い愛情
楽曲の終盤では、男性が女性に向ける想いがヒシヒシと伝わってきました。
何が何でも守り抜く。
そして幸せにしてみせる。
彼女を隔離して閉じ込めつつも、その愛情は確かなのです。
先ほどは「不幸せ」と表現しましたが、この事柄においては「幸せ」に映る気がしませんか?
この2人の関係性は一言では言い表しがたい要素をいくつも持っています。
考えさせられることの多い、不思議な楽曲でしたね。