上でご紹介している歌詞を読むと、困った時に呼んだパンダヒーローは颯爽と困った人を助ける……という感じではない気がします。
事情を話して助けを求めると“しょうがねぇなぁ”という感じでゆっくりと金属バットを肩に持っていきそうな、そんな感じ。
楽曲の中にいるパンダヒーローへの依頼者がどんな人かはわかりませんが、この依頼の報酬はどうやらカラカラの林檎。
こんな報酬で動いてくれるのだから、パンダヒーローは欲がないのか、それともカラカラの林檎でも報酬になるほど街が荒廃しているのか……。
いずれにせよ乾いた林檎で動いてくれるパンダヒーローは、荒廃した街ではきっとヒーローそのものなのでしょう。
さて、今日彼の元にはどんな厄介事が持ち込まれたのでしょうか。
報酬があるなら、どんな面倒事でもきっちり仕事をこなす。
そんな格好いいパンダヒーローの颯爽とした後ろ姿が、思わず目に浮かぶようですね。
それこそがこの街でヒーローを名乗り続け、多くの人々からの支持を受ける。
悪に染まりながらも正義を名乗る、彼なりの流儀なのではないかと思います。
ニヒルなヒーロー参上!
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
煙る 蒸気 喧騒の目
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
ここで 登 場 ピンチヒッター
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
あれは きっと パンダヒーロー
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
さらば 一昨日 殺人ライナー
出典: パンダヒーロー/作詞:ハチ 作曲:ハチ
ハチの楽曲(米津さん名義も含め)には野球用語が登場することが多い気がします。
今回は“ピンチヒッター”とか“(殺人)ライナー”とか。
ハチ自身が野球好きなのかどうかはわかりませんが、言葉の使い方を見ていると、全く野球のルールを知らないようには思えません。
さて上にご紹介した歌詞にある“さらば一昨日 殺人ライナー”というくだり。
この殺人ライナーは一昨日を蹴散らしているライナーなのでしょうか。
それとも一昨日は殺人ライナーのような勢いで去っていっているというたとえでしょうか。
バッターボックスに立ったであろうパンダヒーローが打ち返した当たりは、きっと色々な矛盾や不安を打ち返すようなすごい勢いのライナーだったのでしょうね!
パンダヒーローの正体は○○?
G F# Bm G F# Bm
G F# Bm G F# Bm N.C.
Bm
カニバリズムと言葉だけ
Bm
歌うアンドロイドと遊んでる
Bm
きっと嫌われてんだ我がヒーロー
Bm
きっと望まれてんだほらヒーロー
出典: パンダヒーロー/作詞:ハチ 作曲:ハチ
「パンダヒーロー」が発表された時期を考えると、もしかしたらこれは米津さんが自分自身のことを歌った楽曲かもと感じます。
ネット界隈ですでに人気の高かったハチはこうしてボカロ曲を作ることで、誰かにとってのヒーローになっている感じです。
歌うアンドロイドと遊んでいる(=ハチ)は、ネット界隈では人気が高いので、ネットに見える表面的にはヒーローのように扱われています。
しかし実際にはメジャーでの評価を得たことがないので、自分が本当には好かれているのか嫌われているのかわからないのです。
嫌われている・望まれている、この2つの間で揺れ動く気持ちですよ。
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
狙い 眩む 三遊間
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
ここで 登場 ピンチランナー
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
つまり 二点 ビハインド
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7 Bm
上手く行かない感情制限
出典: パンダヒーロー/作詞:ハチ 作曲:ハチ
二点ビハインドで迎えたパンダヒーローの出番。
ピンチランナーが登場したりと、状況はお世辞にも良いとはいえない状態のようにも見受けられます。
ですがきっと彼のことですから、このような状況も予測をした上での出撃なのではないかと思います。
状況をひっくり返すには、定石で攻めたって上手くいきません。
誰も思いもよらないイレギュラーこそ、不利な状況をひっくり返す大きな突破口ともなり得るのです。
人はもしかしたら、それを悪手と呼ぶのかもしれません。
一歩違えばこちらの状況は、きっと取り返しのつかないほど不利なものに追い込まれています。
このまま不利な状況を引き摺るのか、一発逆転を狙ってひっくり返しに行くのか。
パンダヒーローもまた悩みながら決断をする様子も、歌詞には描かれているようにも思いますね。
彼は困っている仲間を救うべく、しっかりと球を打ち返すことはできるのでしょうか?!
パンダヒーローが救うものは?
Bm
バケツ被った猫が鳴く
Bm
一人また一人消えて行く
Bm
今更どうしようもないこのゲーム
Bm N.C.
さあ 何処にも行けないな
出典: パンダヒーロー/作詞:ハチ 作曲:ハチ
いよいよパンダヒーローによる形勢逆転をかけた時間がやってきているような緊張感が漂います。
どうやら彼は状況をひっくり返す行動に賭けようと、腹を括ったのではないでしょうか。
彼の登場したシーンの手に汗握るピリッとした空気が、まるでこちらにも伝わってくるかのよう。
満を持して現れたパンダヒーロー、もう逃げ場はありません。
めらめらと闘志の燃えるその鋭い視線の先には、確かに相手を捕えています。
彼は静かに戦いの火ぶたが切られるのを待ちます。
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
がなる 売女 暴言の目
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
ブザー 蜘蛛の子 警報灯
出典: パンダヒーロー/作詞:ハチ 作曲:ハチ
パンダヒーローは観客の見守る中、ヒーローとしての役割を果たすことはできるのでしょうか。
この部分の歌詞は、バッターボックスに立つ彼を、敵チームのサポーターなどが威嚇しているような感じがします。
たとえ野球でなくても、格闘技ならちょうど格闘ゲームで試合が始まる前、って感じでしょうか。
緊張感と闘志漲る彼の気を削ごうと、敵陣営もきっと必死です。
なぜならば相手は、かの有名なパンダヒーロー。
これまで数多の視線や修羅場を潜り抜けてきた、一筋縄ではいかない正義のヒーローなのですから。
彼を舐めてかかれば、こちらの首も簡単に落とされる。
きっと彼の気迫から、それを敵も肌感覚で強く感じ取っているのではないでしょうか。
だからこそ、彼にこのまますんなりと決めさせるわけにはいかないのです。
たとえどんなに、卑怯な手を使ったとしても。
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
あれは きっと パンダヒーロー
G F# Bm7
パッパッパラッパパパラパ
G F# Bm7
さらば 一昨日 殺人ライナー
G F# Bm7 D G F# Bm7
壊し て 回れ ブラウン 管
D G F# Bm7
D G F# Bm7
D G F# Bm7
D G F# Bm7
D G F# Bm7
D
G F# Bm7 D
さらば 一昨日 殺人ライナー
G F# Bm G F# Bm
出典: パンダヒーロー/作詞:ハチ 作曲:ハチ
最後の歌詞ブロックには、間奏の部分のコードがやや長めにあります。
コードそのものはそこまで難しくない進行なので、ここはストロークで自分のオリジナリティを出したいところですね。
またこれまでにないメロディフレーズも登場するので、その点も歌う際には注意しましょうね。
そして最後に、再びサビの最終フレーズの歌詞が登場して終わります。
最後まで気を抜かず、歌詞を忘れずに歌って頂ければと思います。
特にラストのところは以下にカッコよく曲を終われるか考えて決めていくと良いのではないでしょうか。