Chandelierとは

生きる辛さを歌う

Sia【Chandelier】歌詞を和訳して意味を解説!シャンデリアは何を象徴する?現実逃避を紐解くの画像

「Chandelier」は、2014年に発売されたシーアのシングル曲。

2015年の第57回グラミー賞では数々の賞にノミネートされました。

日本でも2017年からDiorのCMで起用されていたことから、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

ナタリーポートマンの艶やかな肢体と楽曲のイメージがマッチした、とても印象的なCMでした。

この曲では、生きることや現実から逃避し、パーティやお酒に溺れてしまう女性の内面を描いています。

八方塞がりで追い詰められてしまった時に、自分の心の内を代わりに叫んでくれるような名曲です。

MVも秀逸

また本楽曲はミュージックビデオの映像も必見です。

まだ10代前半と幼いマディー・ジーグラーダンスが見る者の心を鷲掴みにします。

彼女は、このミュージックビデオをきっかけに一躍時の人となりました。

調子はずれのバレエのように見えるダンスは、美しさの中にも危うさを感じます。

そしてまだ少女とは思えない大人びた表情にも注目です。

世の中の苦悩や喜びをすべてを悟っているような、不思議な魅力に引きこまれてしまいます。

それでは、歌詞を解説していきましょう。

歌詞解説スタート

強がってしまう心

Party girls don't get hurt
Can't feel anything, when will I learn
I push it down, push it down

出典: Chandelier/作詞:Jesse Shatkin,Sia Furler 作曲:Jesse Shatkin,Sia Furler

“パーティーガールは傷つかない

何にも感じない

いつになったらそのことを学ぶのかな

私は心を押しつぶす、押しつぶす”

「傷つかない」「何も感じない」といいながら、「心を押しつぶす」と言っています。

周りからは遊び人と思われている女の子が、強がって傷ついていないふりをしているのでしょう。

「いつになったら学ぶのかな」という歌詞は、学ぶことはないという意味の裏返し。

パーティガールのふりをしてもなりきれないのです。

『本当はとても繊細な彼女が、必死で自分を偽りもがいている。』

そんな悲痛な様子が、歌の始まりからよみとることができます。 

都合のいい女

I'm the one "for a good time call"
Phone's blowin' up, they're ringin' my doorbell
I feel the love, feel the love

出典: Chandelier/作詞:Jesse Shatkin,Sia Furler 作曲:Jesse Shatkin,Sia Furler

“私は呼べばすぐ来る都合の良い女

彼らは電話をひっきりなしにかけてきて、私の家のドアベルを鳴らす

私は愛を感じる、愛を感じるの”

愛に飢えている彼女が、多くの男性と関係を持ってしまう状況が読み取れます。

彼女はとても寂しい人なのです。

男性から求められるその瞬間だけ、束の間の愛を感じることができる。

しかし、心の底ではそれが真の愛ではないことがわかっています。

でもそんな現実を直視することはできないのでしょう。

「愛を感じる。愛を感じるの。」と繰り返す歌詞は、自分自身に言い聞かせているようにも見えます。

そして今度は、アルコールにも依存してしまいます。

アルコール依存

One, two, three, one, two, three, drink
One, two, three, one, two, three, drink
One, two, three, one, two, three, drink
Throw em back, till I lose count

出典: Chandelier/作詞:Jesse Shatkin,Sia Furler 作曲:Jesse Shatkin,Sia Furler

“1,2,3,1,2,3,飲む

1,2,3,1,2,3,飲む...

何本飲んだのか、思い返せないくらいに”

荒んだ生活、傷ついた心を更に騙すように、アルコールへと溺れていきます。

連日のパーティ、男性との不健全な交際、そしてアルコール依存と彼女の心はぼろぼろです。

彼女は生きているだけで辛いのでしょう。

そして心の内は寂しさでいっぱいなのです。

そんな現実から目を背けるために、多くのものに依存していく様子はとても痛々しく見えます。