主人公が本来の自分から目を背けて生きている背景が読み取れましたね。

では、どうしてこの「虚無感」や「無価値である」という実感が生まれてしまったのでしょうか?

主人公は何を望んでいる?

醜い子にも旅をさせて
ちょっとの事で笑いたいよ
見えない人と旅をさせて
瞬いているんだ

出典: Drown in Twinkle/作詞:KIRO AKIYAMA 作曲:KIRO AKIYAMA

冒頭のフレーズは「可愛い子には旅をさせよ」ということわざから由来しています。

ことわざの意味を確認してみましょう。

「甘やかして守るばかりではなく、世の中で困難や苦しみを経験させた方が本人のためになる」。

これがどうして逆の言葉になっているのか考察してみましょう。

「醜い子」とは可愛がられていないという意味。

むしろ忌み嫌っている印象の表現ですね。

そして「旅をさせない」から「させて」と言っているのでしょう。

つまり、現状では「忌み嫌いながら支配下に置かれている」ということ。

そしてその閉鎖的な環境からの脱却を望んでいます

背景に過干渉で否定的な誰かとの関わりがあるのかもしれません。

その誰かに自由な考えや行動が制限されています。

誰かのコントロールに従い続けた結果、自己の意思を喪失し、日々に価値を見いだせなくなりました

笑うことすらできなくなりました。

最後に自分がどんな旅をしたいのか歌っていますね。

主人公は孤独を感じていて、誰か一緒に旅してくれる人を求めています。

でも過干渉は望んでいません

だからこそ、透明人間と旅したいと望んでいるのではないでしょうか。

心の中で何が起きている?

ちょっと前のこと
思い出してニヤけてはかき混ぜて
「変だ」
口ずさむようなら
思い出さない方が良いんだ…

出典: Drown in Twinkle/作詞:KIRO AKIYAMA 作曲:KIRO AKIYAMA

心から楽しめる経験があったようです。

本当に楽しいと、無意識にニヤニヤしてしまうもの。

でもそんな自分を受け入れられないようです。

「かき混ぜる」という言葉は「理性が楽しさをかき消す」というニュアンスかもしれません。

この「理性」は「自分は醜い子だから楽しんではいけない」という無意識の自己否定と推測できます。

いわばアクセルとブレーキの両方を踏んでいる状態。

疲れ切った主人公は、いっそ何も思い出さないという選択をしてしまいました。

自分の心と向き合った結果

「Drown in Twinkle」には絶望と希望が描かれていると前述しました。

タイトル「Twinkle」は「きらめき」という意味。

ここからは、眩しいきらめきをまとった希望を見ることができます

自問自答を繰り返す

買った日々の送料
払わずにいようなど虫がいい
また浮かんでるInternal・会話
永久の方

出典: Drown in Twinkle/作詞:KIRO AKIYAMA 作曲:KIRO AKIYAMA

先ほどの「買う」という言葉に現実的な「送料」という要素が付加されました。

「送料」といえば通販サイトなどで購入したときについてくるもの。

ちょっと秋山黄色の生活感が垣間見えます。

当然ですが、送料は商品本体の値段ではありませんね。

買い取った「夢」や「希望」だけでなく、プラスαの負担

そもそも自分で日々に価値を見いだせていれば、こんなにお金を払う必要はないのに…。

そう思い、自分と向き合っているのではないでしょうか?

「Internal」とは内部という意味。

脳内会議をしているのでしょう。

ひたすら自問自答を繰り返しているのかもしれません。

「自分はこのままでいいのか?」と。

本心の中で泳ぐ

等身大の心の中
泳いでいる

出典: Drown in Twinkle/作詞:KIRO AKIYAMA 作曲:KIRO AKIYAMA

自分の本心を探っているのでしょう。

どのような人間になりたいのか?

とう生きていきたいのか?

押し殺して見えなくなってしまった自分の意思を取り戻しかけているのかもしれません。

どんな様子で泳いでいるのか気になりますね。

優雅に気持ち良く泳ぎ回っているのか、それとも溺れそうに必死にバタつかせているのか…。

歌い方や演奏からは前者が一番イメージに合う気がします。

重力から解放されてプカプカと水面に浮いている

そんな光景が想像できるのではないでしょうか。

ポジティブなメッセージ

醜い子にも旅をさせて
ちょっとの事で笑いたいよ
見えない人と旅をさせて
瞬いているんだ ぜ!

出典: Drown in Twinkle/作詞:KIRO AKIYAMA 作曲:KIRO AKIYAMA