ギターは難しい?楽器の特性について

ギターは発弦楽器として、中世からほとんど形を変えることなく現代までメジャーシーンで使われている楽器です。

各弦決まった調弦が設定されており、6弦~1弦の開放弦の音程はE、A、D、G、B、E

これは調弦度数としてコード(和声)を弾くのに適した形となっています。

コードは一度に複数の音を奏でる必要があります。

これを初期段階から習得するのは至難の業です。

単音弾きについても、そもそもどこに何の音があるのか、一見で分かるような親切さもありません。

習得にかかる時間は長く、挫折する人も珍しくありません

そこで活躍するのがTAB譜です。

今回はTAB譜の有用性とちょっとしたTAB譜の応用についてお話していきます。

TAB譜は、コードのストローク奏法やアルペジオ奏法の入門編としても有用です。

普段、通常の楽譜に慣れている人は最初は少し戸惑うかもしれません。

そもそもTAB譜って何?

タブラチュア (Tablature, Tabulature) は、記譜法の一種で、楽器固有の奏法を文字や数字で表示するものである。また、タブラチュア譜(TAB譜、タブ譜、奏法譜)は、それらを記載した楽譜である。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/タブラチュア

TAB譜とは楽器ごとの奏法に合わせ、数字や文字、矢印等の記号で表記する記譜方法です。

二胡やバイオリン、ハーモニカやリコーダー等で使われている数字による記譜方法もTAB譜と言えます。

しかし、現在においては特にギターベースで使われるものをTAB譜と呼ぶことが多くなりました

今やバンドスコアや教則本等、軽音楽におけるギター関連の書籍ではほぼ使用されています。

コードの押さえ方を記したコード表を見ながら弾く方法もありますが、楽譜と見比べながら弾くのは少し面倒です。

その点、実際の曲の流れに沿っているTAB譜は、より実践的といえるでしょう。

バンド演奏などでも便利です。

TAB譜は初心者の強い味方

ギターやベースでは異弦同音(異なる弦でもポジションによって同じが出ること)が多く存在します。

同じ音でも、どこを押さえると前後の音使いに対応しやすいかを考えて押弦する必要があります。

TAB譜は押さえるフレット数が記譜されているため、そこを考える必要がありません。

直感的に曲の進行に合わせた押さえ方をすることができます。

音楽経験がない初心者や、経験者でも煩わしい音楽知識の習得に挫折しそうな人には強い味方となるでしょう。

ただし、ずっとTAB譜に頼ることは避けた方が良いと思われます。

五線譜は音の高低がイメージで読み取れます。

だんだん音が高くなるイメージも五線譜では一瞥できますが、TAB譜にはそれがありません。

演奏する場合に、曲のイメージや抑揚を表現しようとする場合には、五線譜の音の並びを見る方がわかりやすいのです。

初心者には大変便利なTAB譜ですが、将来を見据えて一段高いステージを目指すなら五線譜に慣れる必要もあるでしょう。

見比べて簡単!TAB譜の読み方

【TAB譜の読み方(ギター編)】初心者も分かるTAB譜&記号解説!簡単に弾けるからプレイが楽しい!の画像

基本的にバンドスコアや教則本では、五線譜とTAB譜が両方記載されていることが多いです。

ここで2つを見比べてみると、まず線の数が違うことに気づくと思います

五線譜は線が5本、TAB譜はギターの場合だと基本6本記載されているはずです。

実はTAB譜の線はそのまま弦の本数を表しています。

ギターの場合だと下から上に向けて、低音弦から高音弦に対応しています。

最近では7弦、8弦ギターも一般的になってきています。

そういった楽器を使う必要がある場合は、TAB譜の線の数も弦の数に合わせて増えていきます

ここで注目したいのは、ギターのTAB譜の線が弦の位置をシンボライズしていることです。

実際のギターは自分の目線に一番近いところに6弦があり、遠くになるにしたがって細い弦になっていきます。

TAB譜は、一番下が6弦。一番下の線が一番近くに感じるのです。

人間の目の錯覚を利用したトリックアートなどを見ると、近くに見えるものは遠くに見えるものより下に書かれています。

視覚でTAB譜を捉えた時、一番下の線が手元のギターで一番近い6弦と感覚的にリンクするのです。

数字はフレット数を表している

【TAB譜の読み方(ギター編)】初心者も分かるTAB譜&記号解説!簡単に弾けるからプレイが楽しい!の画像

お手元にギターがある場合は構えた状態で読んで頂ければと幸いです。

よりスムーズに理解することが出来るでしょう。

TAB譜は押弦する箇所を数字で表します。

例えば下から2番目の線に”3”と書いてあれば、5弦3フレットを押さえ、5弦のみを弾きます

ギターのフレット数は基本的に20~24(物によっては30以上!)フレット

開放弦を0として、自分のギターが何フレットあるのか、確認してみましょう。

フレットが22フレットしかないのにTAB譜に24フレットと記載されている場合は弾けません

「多少の工夫」をするか新しいギターを買うことになります。

こうしてギタリストの財布は空っぽになっていくのです。

・・・それは冗談として、「多少の工夫」については後述します。お楽しみに。

数字についている棒や旗は音符記号に対応

TAB譜の数字によって押弦箇所と弾く弦が分かっても、弾くタイミングや長さは分かりません。

その判断はどこを見て行えばいいのでしょうか。

TAB譜を見ると、数字から棒や音楽の時間で見たような旗がついていると思います。

実はこれはそのまま音符の機能を表しています。

四分音符なら数字から上に伸びる棒ですし、八分音符なら旗が付きます。

音楽記号については下記のリンクに記載されています。

お手持ちのTAB譜と照らし合わせてみると良いでしょう。

基本的なリズムパターンとして、2分音符と全音符もあります。

この2種類については、フレットを表す数字をすべて楕円で囲むことで表します。

囲んだ楕円の下に棒があれば2分音符、棒がなければ全音符となります。 

音符/休符の種類と長さ 音符と休符の長さ比較 ・付点の付いた音符 右側に小さな点の付いている音符は、付点音符と言って、元の音符に、その半分の長さをプラスした長さです。 ・副付点音符 付点が2つついた音符を「複付点音符(ふくふてんおんぷ)」と