パンダといえば、警戒心が低いことで絶滅の危機に瀕している動物です。
「ピュアなハート」は子どもの持つ純真な心でしょうか。
警戒する必要のない世界を、子どもたちの輝かしい未来を期待しているフレーズに思えます。
火花ということは、輝いているといってもまだ小さくか細い光ということでしょう。
しかし「夜空で弾け飛ぶ」ということは色鮮やかな大輪の花火となるはずです。
そんな華やかで明るく周囲を照らす存在になってくれることを期待しているのではないでしょうか。
火山 マゼラン シャンハイ マラリア
夜になって 熱が出て
多分 ホンコン 瞬く 熱帯夜
出典: アジアの純真/作詞:井上陽水 作曲:奥田民生
火山=山、マゼラン=マゼラン海峡(海)、シャンハイ=都市、と世界の様々な場所を巡ります。
その中でマラリアにかかったのか熱が出て、いまいる場所が判然としない朦朧とした意識に、ホンコンの夜景が焼き付いているのでしょうか。
それとも実際にその場に行っているわけではなく、具合が悪い状態で世界中の風景をインターネットで見ている、という可能性もありますね。
眠りたくない理由でもあるのでしょうか。
開けドアー
涙流れても
溢れ出ても アジア
出典: アジアの純真/作詞:井上陽水 作曲:奥田民生
どんなにつらいときでも、悲しいときでも、扉を開いてしまえばそこにはアジアが広がっています。
日本人にとって一番近い世界がそこにあるのです。
地図の黄河に 星座を 全部 浮かべて
ピュアなハートが 誰かに めぐり会えそうに 流されて行く
未来の方へ
出典: アジアの純真/作詞:井上陽水 作曲:奥田民生
歌詞にあるのは「地図の黄河」と「星座」で、「黄河」そのものでも「星」そのものでもありません。
もしかしたら、ごろりと寝そべった子どもが床に広げた地図上の黄河に星座を模したパズルを並べていく、というような新たな遊びの形…創造性の表現なのでしょうか。
地図も星座も、ひとによって作り出されたもの。
ひとによって作り出された、インターネット、そしてコンピュータという仮想の世界では、現実の世界では川に星を浮かべるような、ただの夢想でしかないことも不可能ではありません。
大きな時代の流れの中で、子どもたちは未知の出会い、未知の可能性を秘めた未来へと進んでいくのです。
未来への希望
白のパンダを どれでも 全部 並べて
ピュアなハートが 世界を飾り付けそうに 輝いている
愛する限り 瞬いている
今 アクセス ラブ
出典: アジアの純真/作詞:井上陽水 作曲:奥田民生
子どもたちはこれから「世界を飾り付ける」存在で、いまはまだ準備期間です。
その光は、大人たちが愛情を注いでいく限り続いていくのです。
インターネットが普及し、新たな世界が開けた今、子どもたちのための未来を大人たちが準備していく必要があります。
90年代は、パソコン通信からインターネットへ移行していく時代でした。
情報化社会への幕開けとなる時代に作られた「アジアの純真」は、これから発展していく技術への期待、新たにもたらされた技術によってつながる世界への期待、その先の時代を担っていく子どもたちへの期待が込められているように思えます。
始まりは空耳だったのかもしれません。
けれど、それによって導かれた重い歴史を持つ土地の人々を思った井上陽水は、「日本だけでなくアジアを視野に入れた子どもたちが、愛情を以て世界とつながる」そんな未来を期待したのではないでしょうか。
無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!
今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね