アルバム「トランシーバ・デート」収録曲
キイチビール&ザ・ホーリーティッツは2016年に結成された5人組のロックバンド。
そのうち4人が駒澤大学ジャズサークルの出身者、90年代っぽいゆる~いサウンドが特徴的です。
EPやミニアルバムに続き2018年2月に発売された1stフルアルバムが「トランシーバ・デート」
その1曲目に収録されているのが「たまらない夜」です。
キイチビール&ザ・ホーリーティッツがこれからどこへ進んでいくのか?道標となるような1曲。
そんな「たまらない夜」について解説していきます。
「たまらない夜」のMVを見てみよう!
1996年7月に「スマイル」でメジャーデビューしたホフディラン。
2人組のバンドです。
ひとりはボーカル&ギターのシン・ワタナベイビーこと渡辺慎さん。
もうひとりがボーカル&キーボードのテンフィンガー・ユウヒこと小宮山雄飛さんです。
そんなユウヒさんの別ユニット、ザ・ユウヒーズの1stアルバム名が「ユウヒビール」でした。
リリースは1996年4月。キイチさんの名前はこのアルバムタイトルにも由来があるわけです。
90年代ロックをリスペクトしているキイチさんらしいエピソードと言えるでしょう。
お酒は飲まないし……という人にとっても、脱力系サウンド&鋭い歌詞は刺さるはず!
そんなキイチビール&ザ・ホーリーティッツ「たまらない夜」のMVを見てみましょう。
「たまらない夜」MV
最初から最後まで、がっつり演奏シーンを堪能できるMVです。
間奏ではメンバーが楽しそうにはしゃぐ姿もカットイン。
これがキイチビール&ザ・ホーリーティッツ!とわかりやすいですね。
続いて、「たまらない夜」の歌詞について詳しく解説していきます。
歌詞を解説!
ジコチュー礼賛?
自分のことだけ
考えて生きればいいのに
思いつく幸せ
一つ一つ数えてさ
出典: たまらない夜/作詞:村上貴一 作曲:村上貴一
冒頭から少々ひねくれた歌詞になっています。ざっくりまとめるとジコチュー礼賛ですが……。
ひと言「~のに」とあるだけで、まったく逆の意味や、微妙なニュアンスまで混ざってきます。
そもそも自己中心的な考え方をする人は、ジコチューすぎてジコチューに気づかない可能性あり。
つまり歌物語の主人公は、まわりのことも考えられる人でしょう。
むしろ他人のためになることばかり優先して自分のことを後回しにするタイプかもしれません。
だからこそジコチューの人がうらやましい、でもやっぱりジコチューにはなれない……と。
葛藤が見え隠れします。
諦めてばかり?
溜まっていく空き缶に
灰を落としながら
転がり落ちていく
くたびれて諦めてばかりで
出典: たまらない夜/作詞:村上貴一 作曲:村上貴一
「空き缶に灰」というのはタバコの話。分別ゴミの観点から、おすすめできない行為です。
ちなみに、キイチビール&ザ・ホーリーティッツ1st EPのタイトルは「俺もハイライト」。
キイチさんの名前にビールと入っていたり、タバコが描かれていたりするわけです。
未成年はもちろん、成人でも好みが分かれる嗜好品をわざわざ取り入れていることになります。
どうやら年齢層など、幅広くたくさんの人に聴いてほしい……という考えはなさそうですね。
これは90年代ロックをリスペクトしている点とも重なるでしょう。
自分の趣味嗜好や好きな音楽ばかりを追求すれば幸せなのに、そうもいかないという葛藤。
タバコを想像させる歌詞にすることで、諦念が表現されているようです。