豪華な布陣によるクオリティの高い作品
豪華な面々が制作に携わっている【Fighting Gold】。
及川眠子さんが作詞を、大森俊之さんが作曲・編曲を担当しています。
実は、このコンビ数々の話題作を輩出してきたヒットメーカーです。
他方、歌唱は新進気鋭のアーティストCodaさんが務めています。
Codaさんは、ジョジョの奇妙な冒険シリーズ第2部・第4部の楽曲に関与しているジョジョシンガーです。
アニソンを熟知した3人が揃えば、素晴らしい楽曲ができたも同然でしょう。
では、気になる箇所を抜粋して、解説していきます。
幼少期の思い出が足かせに
夢を縛りつける重たい運命の石に
まるで押し潰されていて
どこにも逃げられないひたすら足掻きながら
だけどあきらめない
出典: Fighting Gold/作詞:及川眠子 作曲:大森俊之
Aメロの前半、アニメの主人公ジョルノ・ジョバァーナの苦悩を描写した詞から始まります。
ジョルノは、幼少期に両親の寵愛を受けずに育ちました。
自分は誰にも認めてもらえないのか?なぜ生まれてきたのか?と自分の存在意義について自問自答する日々…。
精神的・肉体的ダメージが蓄積され、人間に対する恐怖心を持つようになりました。
歌詞の中にある「重たい」や「運命の~」とは、ジョルノが育った悲惨な環境を意味しているのです。
「~縛りつける」や「~逃げられない」は、辛い過去に縛られて自由に行動できずにいる状況を表しています。
数年にわたって家庭で培われた性格や人格は、簡単に変えられるものではありません。
しかし、自分自身が変化しなければ現状を打破することはできない…。
頭では理解できているものの、実際に行動に移せない歯がゆさを歌詞の「~足掻きながら」が物語っています。
あきらめない心
ことごとく不幸な境遇のジョルノ。
しかし、全く望みを持っていなかった訳ではありません。
幼い自分の無力さを受け入れ、進むべき道を開拓しようとします。
歌詞の「だけど~」は、ジョルノの自我の芽生えを表現しているのでしょう。
あえて「あきらめない」と平仮名で表記することによって、穢れを知らない少年の闘志が示されているようです。
差し込む希望の光
何かが変わった瞬間
瓦礫(がれき)の底に埋もれた希望の破片(かけら)たち
きっとこの手で見つけだすさ世界を変えるために
出典: Fighting Gold/作詞:及川眠子 作曲:大森俊之
Aメロの後半に記された「瓦礫の~」は、ギャングが蠢く裏社会を意味しています。
悲惨な暮らしを続けてきたジョルノでしたが、ギャングとの出会いがきっかけで裏社会に活路を見出したのです。
裏社会へ憧れを抱いている光景は、「希望の~」から感じ取れます。
その後に続くフレーズは、まだ見ぬ世界に対するワクワク感を表しているのでしょう。
絶対に希望を見つけてやるんだ!この世界を俺の手で変えてやろう!という気概がヒシヒシと伝わってくる内容です。
真逆の言葉が意味するものとは
希望の破片たち
出典: Fighting Gold/作詞:及川眠子 作曲:大森俊之
希望と破片、一見すると真逆の言葉のように思われます。
ジョルノが裏社会で共に生きる同志こそ、「希望」であり「破片」なのです。
ジョルノの他、ギャング集団の駒になっても、自分の信念を曲げずにいる人々…。
それぞれの不器用な生き方は、いびつな形状、不揃いの「破片」が彷彿されます。
破片は、物体が壊れた時に生まれ、言葉の通り物体を形成している一部分です。
全ての破片を集めなければ、物体を元通りにできず、たった1個では役に立ちません。
人間も1人では、何者にもなれず、何かを成し遂げることが困難です。
しかし、「~たち」の言葉のように、複数名が一体になった時、状況を少しずつ変える力が発生します。
明るい未来へつながる可能性に期待し、「希望の~」という表現が用いられているのでしょう。