ラブソングの女王が切なくも深い愛を以て歌う「Last Love」。その歌詞の意味を捉えながら、この歌の魅力をご紹介します。

小柳ゆき『remain~心の鍵~』

次に紹介するのは、小柳ゆきが歌う『remain~心の鍵』です。

タイトルに配されたremain

時間が経過しても変わらない状況を意味する英単語です。

この日本語訳と歌詞を踏まえると、不変の愛が暗に示されているのではないかと推測できます。

歌詞は、歌い手である小柳ゆき自身が担当。

彼女の情熱的な人柄、恋人への深い愛情を彷彿とさせます。

遠い日の思い出が心を突き抜けて
おさえても溢れ出すせつなく甘い記憶
眠れない夜夢の欠片集めた
堪えられず指先覚えてる

出典: remain~心の鍵~/作詞:小柳ゆき 作曲:清水泰明

失恋を経験した主人公。

かつて交際していた恋人との思い出は、“遠い日”の出来事となっていました。

けれど、あの時あの瞬間に抱いた切ない気持ちは、色褪せていません。

ゆえに、恋人と共有した濃密な時間を“甘い記憶”と呼び、過去に思いをはせています。

追いかけた離れても永遠に愛したい
忘れない愛しいあなたの胸
今は誰かの名前を呼ぶのに
ぬくもりをこの手に残したままで

出典: remain~心の鍵~/作詞:小柳ゆき 作曲:清水泰明

この幸せは、いつまでも続くもの。

交際期間中は、そのような考えを持ってしまう傾向が強いです。

彼・彼女が大切な存在であることを忘れてしまう場面も。

主人公は、心が離れてしまった時、初めて恋人の尊さを痛感。

“忘れない”“愛しい”と呟きながら、枕をで濡らしていたのでしょう

しかし、時すでに遅し。

いくら後悔して思いを巡らせても、その様相に恋人は気づきません。

何の前触れもなく訪れる恋人との別れ。大切な人を忘れられない苦しみ。

失恋の痛みが詞から伝わり、胸がジーンとなります。

悲恋を実感できる

モーニング娘。『Memory 青春の光』

次に紹介するのは、モーニング娘。が歌う『Memory 青春の光』です。

こちらの楽曲は、大人っぽい雰囲気が漂う失恋ソング

初めて聴いた時、「こんな曲をアイドルが歌うなんて」と驚いた方は多いでしょう。

メモは破って捨てていいよ
でも最後まで読んでよねぇ
あんなやさしく抱かれたのは初めてだった
メモリー去って行くけど
新しい彼女の事
私の様に愛さないでgood bye,good bye,good bye

出典: Memory 青春の光/作詞:つんく 作曲:つんく

恋人と同棲生活をしていた主人公の女性。

日に日に強くなる恋人への想いは、たった一晩で砕け散ることに。

“新しい~”という言葉から、不貞行為の発覚が窺い知れます。

信頼していた恋人に裏切られた時の怒りや悲しみは、言い尽くせません。

どうしても許せない。そして、二度と楽しい時間が戻ってこない。

色々な想いを記した“メモ”は、私自身なのかもしれません。

私との約束を破ったように、私を捨てたように。

“破って”“捨てて”と訴えかけているようです。

けれど、女性は、恋人のことを「嫌い」と言い切れません。

顔を合わせたくない相手ではあるけれども、想いが消えていないのです。

大好きだからこそ、憎い、痛い。辛い。

湧き上がるやるせない感情を抑えつつ、女性は恋人の元から去る準備をしたのでしょう。

室内には、2人の思い出を示すモノばかり。

無意識のうちに愛を紡いだ日々が想起されたのではないでしょうか。

繰り返される“good bye”がこだまし、女性の心の傷の深さを物語っているようです。

松本英子『Squall』

次に紹介するのは、松本英子が歌う『Squall』です。

優美な歌声とメロディーがマッチし、詞が心に沁みます。

ストーリーの季節は、夏。

主人公の女性は、恋に落ちて心を焦がします。

恋をしている哀しいくらい
もう隠せないこの切なさは
もっといっしょにいたいふたりでいたい
叶えて欲しい夏の憧れ

出典: Squall/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

恋した相手は、何かしら自由に逢えない事情を抱えている人物。

本来、恋愛の最中は、毎日がドキドキワクワクの連続です。

楽しくて仕方がありません。

しかし、いくら望んでも、ずっと一緒に居られない相手との恋愛

“哀しい”という言葉が漏れてしまいます。

いつか終わりを迎える恋。多くを望んではいけない相手。

それらを頭で理解しようとしても、心が受け入れられません。

止めどなく“切なさ”が溢れ、“もっと~”“ふたりで~”という願望がこみ上げてくるのでしょう。

「恋は盲目」という言葉があるように。

女性は危険な情事と分かっていながら、後戻りできなくなったのではないでしょうか。

それは、純真無垢であるがゆえのこと。

酸いも甘いも知らない女性は、刺激的な恋愛を「これこそ運命の赤い糸」と感じたのかもしれません。

曲の透明感が彼女の純粋さとガラス玉のような脆さを感じさせてくれます。

恋をしている恋に落ちてる
もう隠さない熱いときめき
やっとめぐり逢えたの夢に観てたの
醒めることない夏の憧れ

出典: Squall/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治