花火が上がって 君が微笑んで
その有り触れた日々が全てで
それだけだった
出典: それは恋の終わり/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
祭り一番の醍醐味はやはり大きな花火ではないでしょうか。
夜空に浮かぶ大輪の花には、見ている人を幸福に包む幸せな光が満ち溢れているのです。
この歌詞の主人公は上空に上がった花火ではなく、横で溢れる笑顔を見ています。
ここからでも主人公の相手に対する想いがビシビシと伝わってくるようです。
夏祭り一番の花火よりも笑顔を見たかったのです。なんだか胸がキュンとなります。
想像しただけでも周りにはキラキラしたエフェクトが舞っていたことでしょう。
盲目になるほどの恋慕
主人公の頭の中は気になる人のことで埋め尽くされています。
君と過ごせた日々が、交わした言葉が、やりとりしたメッセージが全てなのです。
それが「人を好きになるということ」なのだといっているように感じました。
人を好きになることは、損得を考えない特別で傲慢な感情です。
周りがみえなくなってしまう程の強い感情がこの歌詞からは伝わってきます。
花火の終わりの静けさのような空虚
心がどこか漫ろなのは
下駄が擦れて痛むからだっけ
歩幅も何も合わないのは
人目を避けて歩いたから?
出典: それは恋の終わり/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
花火が終わった後は、どこか悲しい雰囲気になります。
さっきまであんなに明るく夜空を照らしていた光や音がなくなり辺りは静けさを取り戻すのです。
その背景とリンクするように2人の関係にも変化が起きてしまいます。
噛み合わなくなった会話とぎこちない笑顔。
焦りと不安が心を支配し、逃げ出してしまいそうになることでしょう。
歌詞からは直接的な関係の悪化は書かれていません。
しかし間接的かつ抽象的に描かれている展開にはリアルな距離感を感じ取れます。
夜空だから映える花火の色
花火が可憐に色付いてみせる
その暗闇の深いところに
気づけなかった
出典: それは恋の終わり/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
花火は赤や緑、青、紫など様々な綺麗な色を見してくれます。
しかしはっきり見えるのはバックの夜空が暗闇だからです。
夕焼けに花火が上がっても見えません。
さっきまであんなに幸せな時を過ごしていました。
しかし一転。状況は変わり心の距離を感じ取ってしまいます。
このギャップが相手の気持ちをストレートに自分に伝えてしまうのです。
幸せと不幸せは表裏一体です。どちらかが霞むともう一方の存在を強く感じます。
この歌詞部分からそんな心情が読み取ることができました。
夏の終わりと恋の終わり
恋の行方
打ち上がっては賑わう人波
今日は8月の空
出典: それは恋の終わり/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
8月にはどのようなイメージが湧きますか?
「夏」「プール」「宿題」「暑い」など。
その中でも、学生だと「夏の終わり」(=夏休みの終わり)を連想する人も多いのではないでしょうか。
この部分の歌詞にはネガティブな言葉は一見見当たらないように思います。
前半には盛り上がっている人々の様子があり楽しい印象を受けます。
しかし後半の部分はどうでしょう。
ここでいう8月とは「夏の終わり」を表しているように感じます。
私は切ない感情がここにも詰まっているように思いました。