小袋成彬とは?
小袋成彬(おぶくろなりあき) 1991年4月30日生まれ
2016年、宇多田ヒカルのアルバム「Fantôme」収録曲「ともだち with 小袋成彬」にゲストボーカルとして参加。伸びやかな声と挑戦的なサウンドデザイン、文藝の薫り高き歌詞が特徴。
出典: http://www.sonymusic.co.jp/artist/nariakiobukuro/profile/
現在彼を抜きに日本の音楽シーンについて語ることはできません。
彼の名は小袋成彬(おぶくろ なりあき)。
本業は音楽プロデューサー兼レーベルの代表取締役です。
小袋さん曰く「遊び感覚程度」で学生時代に「N.O.R.K.(ノーク)」というユニットで活動。
ハイセンスなサウンドが業界内で高評価を得ていました。
しかしレーベル立ち上げ後はプロデューサー業に専念していました。
そんな彼にターニングポイントが訪れます。
時代を代表する有名シンガーからゲスト参加をオファーされるのです。
宇多田ヒカルが惚れた歌声
小袋成彬が遊び半分だったと語る学生時代のユニット「N.O.R.K.(ノーク)」。
そのOBKR(オブクロ)という名のシンガーは実は業界では知れ渡られていた存在でした。
彼がプロデューサー業を行っているときに一通のメールが届きます。
ごく稀にOBKR名義での音楽活動を続けていたのが届いたのでしょうか?
環ROYとOBKRが組んだGAPとのプロジェクトソング「ゆめのあと」。
ワンカットで撮影された映像が楽曲とともにハイセンスな作品です。
ここでOBKRが聴かせる歌声は確かに素晴らしかったです。
『あなたの声はすばらしい』-宇多田ヒカルの一言
時代に花を添えることよりも自己認識を変えたほうが豊かな人生だと気付いたのは、ちょうどロンドンでの「Fantôme」のレコーディングから帰国した直後である。8月に入ると、いつしか仕事もなおざりになり、耽美的な生活ばかり追い求めるようになっていた。
出典: http://obukuro.com/
小袋さんは一人ロンドンに旅立ちます。
宇多田ヒカルの「ともだち with 小袋成彬」の録音に参加するためです。
そこで彼は稀代の歌姫に「あなたの声はすばらしいと思う」と言われたそうです。
お二人ともあまり覚えていないそうですがスタッフはハッキリと聞いたそうです。
この時の体験は小袋さんの世界認識を全く変えてしまいました。
レコーディングから帰国した彼は驚愕します。
目の前に広がるいつもと同じ光景が全く異なる世界に変化していたのです。
古い友人からのメッセージ
一連の認識の変化は、あらゆる自然の機微を美しいものへと変えていた。
過ぎた車の静けさに孤独を習い、ケヤキを仰ぎ見る子供へと注ぐ木漏れ日は儚げで美しく、短い影が作る顔の陰影からレンブラントの絵画のような老いの緊張を学んだ。見えないものを見ようとすることが耽美ならば、世界はこれほどまでに美しく輝くのか!
出典: http://obukuro.com/
帰国した小袋さんは古い友人に宛てた曲作りに没頭します。
そして完成した楽曲をその友人にメールで送ります。
彼からの返信は「震えた」という一言だったそうです。
小袋さんは溢れる涙を抑えることができませんでした。
それは彼からの「歌え」というメッセージだと感じられたのです。
この人の声を世に届ける-宇多田ヒカル
どちらから申し出たのでしょう。
宇多田ヒカルが全面プロデュースしたアルバム制作が始まります。
彼女は「この人の声を世に送り出す手助けをしなきゃいけない」と使命感を感じます。
宇多田ヒカルにそこまで思わせる小袋成彬の魅力とは?
それは完成したアルバム「分離派の夏」を聴けば分かります。