RADWIMPS「会心の一撃」

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収録アルバム「×と〇と罪と」

「会心の一撃」は、RADWIMPSの5thアルバム「×と〇と罪と」に収録された曲です。

哲学的・叙情的な曲が詰まったアルバムの中で、「会心の一撃」はアッパーなロックチューンとして作品にアクセントを加える役割を果たしています。

疾走感のあるハイテンポなリズムの中で早口で歌詞が並べられる、RADWIMPSのロックな一面が色濃く表れている曲です。

アルバムオリコン週間チャートで2位、ビルボード・ジャパンでは週間1位と大ヒットを記録しました。

コミカルなMVにも注目

「会心の一撃」のMVは野球場を舞台に、まるでマンガのようなコミカルで不思議な世界観が描かれる内容です。

奇妙な試合のど真ん中で演奏を続けるメンバーも、どこかいつもより弾けた様子ですね。

実際に野球場で1500人のエキストラと共に撮影されたという映像は、明るく派手な曲の雰囲気にマッチした賑やかな仕上がりになっています。

「会心の一撃」の歌詞を紐解く

「会心の一撃」の歌詞には、就職活動や進路など将来について言及しているような言葉が見受けられます。

大胆な表現で「未来」を歌うこの曲の歌詞を紐解いていきましょう。

葛藤を抱える歌い出し

「お前なんかいてもいなくても」がお得意の 意地悪いこの世界の口癖で
僕の耳元で飽きもせずに 話がしたいなら顔を見せなよ 今すぐさ

出典: 会心の一撃/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

自分の存在価値に悩むような言葉から始まる歌い出しです。

「お前なんかいてもいなくても」というネガティブな表現は、就職活動でお馴染みの「お祈り」=不採用を極端に表しているのではないでしょうか。

たとえ遠回りでも自分の存在を否定する言葉に、強い怒りや葛藤を感じている様子がうかがえます。

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あと何万回の後悔で
僕は僕の期待を超えられるだろう

この心に足が生えてたら
今日の行き先は違っていたかな

出典: 会心の一撃/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

曲の主人公が心で望む道のりは、実際に歩もうとしている道と違うものなのでしょうか。

もし心のままに進んでいたら…というifの可能性を描く言葉には、たくさんの後悔が見えます。

就職試験の合格通知 面白い人間の不合格通知
心は彼方 全力疾走で もういないだろう
「俺に用はないだろう」

出典: 会心の一撃/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

待ち望んだ合格通知も、まるで「つまらない進路を行く人間である証」のように映ります。

一般的な進路がつまらないとは限りませんが、他にやりたいことがあった主人公の目には魅力のない道に映るのでしょう。

自分の本心にも愛想を尽かされた主人公。ですが、実際には心を捨てたのは彼の方です。

どの未来を望んでいるのか

圧倒的で感動的な 理想的超えて完璧な
運命的で冒険的な 時に叙情的な未来 VS

平均的で盲目的 半永久的に安泰な
無痛 無臭 無害 無安打無失点の 未来 未来 未来

出典: 会心の一撃/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

サビの歌詞の前半は、主人公が心のままに進んだ未来を描きます。それは、とてもドラマチックでダイナミックで魅力的なものに見えるのでしょう。

そして後半に描かれるのは、心を捨てて望まない道を進んだ先の未来です。

いわゆる「安定した普通の進路」というものでしょうが、やりたいことを捨ててこちらに進んだ未来は、主人公の目には退屈なものに映ります。