心の病は、外からはとても見えづらく理解しにくいものです。
手足を負傷すれば動くのが困難になるのは見てもわかる。
けれど心を深く病んだときも、人間は強い無力感で動けなくなってしまうものです。
しかもそれは目で見てすぐに原因がわかるものではありません。
ビリーがパニック障害を患った1994年の時点では、さらに理解されづらいものだったでしょう。
精神科医や性的な関係、酒やドラッグに救いを求めたこともある。
けれどそこで「こうしたら解決できますよ」というはっきりした答えは得られていません。
それでも自分をコントロールし、よりよく生きたいと願います。
この歌を書くこともそうした試みのひとつだったとビリーは語っていました。
実際にストレスや精神的な苦痛の解決法には、言葉にして表現するという方法があります。
動けないほどの無力感や心の辛さに直面したとき、どうそれと向き合うか。
Basket Caseはその答えのひとつを教えてくれます。
ゆっくりでもいいから、無力感を言葉にして表現し向き合う。
そうすることで少しづつでも自分をコントロールすることができるのです。
ストレスの多い生活の中で、同じような無力感を感じる人も多い時代。
この曲のように辛い気持ちを言葉にすることで向き合う方法が、ひとつのヒントになってくれます。
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