酒と泪と男と女は河島英五の代表曲
飲んで 飲んで 飲まれて飲んで
飲んで 飲み潰れて寝むるまで飲んで
出典: 酒と泪と男と女/作詞:河島英五 作曲:河島英五
このサビの歌詞をみて、メロディーが浮かぶ方も多いことでしょう。
「酒と泪と男と女」は河島英五さんの代表曲です。
1975年に「河島英五とホモ・サピエンス」のシングル「てんびんばかり」のB面としてリリースされました。
翌1976年にはA面とB面が逆の「酒と泪と男と女」が発売されています。
ところで、当時のシングル曲はレコードで発売されていました。
レコードはCD、DVDなどと違い、両面に楽曲が記録されています。
一般的に表面をA面、裏面をB面と呼びシングルの表題曲はA面、カップリング曲はB面です。
カップリング曲を聴く場合は、レコードを裏返してプレーヤーにかけ直していました。
カセットテープにもA面、B面というのがありますね。
CMソングでヒット
話を戻しまして……
「てんびんばかり」は当時放映されていた、ドラマ「3年B組金八先生」の第1話挿入曲として放送されました。
そして、「酒と泪と男と女」は清酒黄桜のCMソングで多数放送され、ヒットにつながったのだと思われます。
また、河島英五さんがソロデビューをした後の1981年に、再度シングル曲としてリリースされます。
このときのB面は「仁醒(一枚の絵)」でした。
さらに、河島英五さんの1984年のシングル曲「野風増~お前が20才になったら」のB面にも収録されています。
このシングルも1986年にA面とB面を逆にして再発売されています。
それだけ、河島英五さんと「酒と泪と男と女」は深く結びついていた曲なのです。
河島英五の楽曲の特徴
河島英五さんの楽曲は、ソウルフルな歌詞、シンプルながら力強いメロディーが特徴です。
ほとんどの楽曲が河島英五さんの作詞、作曲で、ご自身の思いが強く込められています。
河島英五さんの曲の多くは「別れ」や「悲しさ」「寂しさ」「切なさ」を歌ったもの。
「酒と泪と男と女」も、寂しさ、悲しさを歌っている曲です。
実は酒に弱かったらしい?
河島英五さんの曲の歌詞を見ると、いくつかの曲で「酒」が登場します。
河島英五さん自身の作詞で酒が出てくる曲を並べてみましょう。
- 酒と泪と男と女
- ほろ酔いで
- 旅的途上
- ひとりごと
- 地団駄
- あきらめ顔は早すぎる
- 明日へ
など……なのですが、意外な事実がありました。
「酒と泪と男と女」はメジャーリリースは23歳の時ですが、実際は18歳の時に作ったそうです。
つまり、河島英五さん自身の体験ではなかったのです。
次女の河島亜奈睦さんが新聞のインタビューで証言しています。
幼いころから河島英五さんは体が弱く、曲のイメージに合わせて酒を飲むようになったらしく。
河島英五さんは肝臓の病気でなくなっているのですが、無理をしていたのかもしれません。
さらには、「酒と泪と男と女」のイメージが付き過ぎていることに苦悩した時期もあったとのこと。
「河島英五と言えば酒」は、作られた姿だったのですね。
酒と泪と男と女の歌詞を読んでみよう
「酒と泪と男と女」は、1番、2番、コーダという構成になっています。
コーダはサビの部分が少しアレンジされています。
1番では、男が酒を飲むとき、2番では女が泪を流すときの場面。
そして、コーダで男から女へ向けてのリスペクト、そして男の言い訳が歌われます。
男が酒を飲むときとは
忘れてしまいたい事や
どうしようもない寂しさに
包まれた時に男は酒を飲むのでしょう
出典: 酒と泪と男と女/作詞:河島英五 作曲:河島英五
とても人生経験の豊富な感じがする歌詞ですが、モデルは親戚とのこと。
親戚が集まって、男たちが酒を飲み、女たちは炊事をしていた光景から着想を得たそうなのです。
さて、その男の様子とは……
「寂しい」というのは、物足りなさ、満たされなさを感じるという意味があると辞書には書かれています。
仕事でのトラブルでしょうか、それとも女性とのすれ違いでしょうか。
具体的なことはわからないですが、「そういうときって、あるなあ」と共感する歌詞です。
そして、こんな時に飲む酒は、きっと日本酒。飯屋でひとり、コップ酒をグーっと飲む感じがします。
仲間とではなく、一人で飲むのですが、家の中では寂しすぎる。
だから、適度な距離の他人がいる場所で飲むのです。しかし……
飲んで 飲み潰れて寝むるまで飲んで
やがて男は静かに寝むるのでしょう
出典: 酒と泪と男と女/作詞:河島英五 作曲:河島英五