そんな「蝉」の話を突然してきた「君」。

「君」はどのようなねらいでそんなことを言ったのでしょう。

でも本当は、特に意味はないんだろうな、と「僕」にはわかっています。

沈黙が怖かったのか、何か話さないといけないと思ったのでしょうか。

好きな人と一緒にいるとき、そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。

大事なものは人それぞれ

自分にとって大事なもの
それは人それぞれなんだ
同じだって思い込んでた
未熟さとか若さってのは
面倒臭いよね 身勝手で
今 気づいたよ

出典: 沈黙が愛なら/作詞:秋元康 作曲:サトウシンゴ

恋愛において「価値観」というものはとても重要になります。

自分にとっての大事なものは相手にとってはそうではないかもしれません。

同じだと思いこみ、視野が狭くなってしまうのは若いうちは誰にでもあるはず。

そんな「未熟さ」ゆえに、主人公も恋愛が上手くいっていないようです。

未熟さ故の身勝手

「君」との恋愛で、主人公は若く、未熟でした。

そんな身勝手な自分を「面倒くさい」と自虐する主人公。

未熟さ故に上手くいかなかった恋愛を経て、主人公もやっと気づいたのです。

この曲で主人公は「別れ」をちらつかせています。

なぜふたりは別れに向かっているのか、こういった「未熟さ」にも原因があるのでしょう。

僕たちの愛は「沈黙」

センターの小坂菜緒さんを筆頭に2期生が切なく歌い上げるこの曲は1度目のサビを迎えます。

未熟ゆえに「沈黙」を続けるふたり。

そんなふたりは愛し合っていないのでしょうか。

ふたりの関係について、果たして「沈黙」は「愛」なのかに迫っていきます。

無理に話さなくてもいい

沈黙が僕たちの愛なら
無理に話さない
今は海を眺めながら
あの太陽が沈むまで待とう
不器用な僕たちのサヨナラ
言葉になんかできないよ
辺りが真っ暗になるまで
肩を抱いてこのままでいたいんだ

出典: 沈黙が愛なら/作詞:秋元康 作曲:サトウシンゴ

静寂に包まれるふたり、そして蝉の声だけが響き渡ります。

海辺で並んで座っているふたりは、気まずくて黙っているのでしょうか。

そんな疑問に主人公は「沈黙が僕らの愛だ」と答えます。

それならば無理に話さなくてもいい」と主人公は愛の形をひとつ提案しました。

「価値観」はみな違うという内容の歌詞がありましたが、主人公はそれがやっとわかったのでしょう。

不器用なふたりの別れ

「沈黙が愛」というなら、主人公は「海を見るだけでいい」といいます。

太陽が沈むまで、このまま肩を抱いて一緒にいることが「愛」なのです。

会話も上手くできない不器用なふたりだからこその愛の形といえますね。

そんな感情は言葉にしなくても通じ合っている、そう感じているのでしょうか。

しかし歌詞には「サヨナラ」とあります。

やっとのことで通じ合ったように見えるふたりですが、別れてしまうのでしょうか。

心が張り裂けそうなほど切ない

ふたりは「沈黙」が自分たちの愛だと気づくことができました。

しかしそんな主人公は何故か「サヨナラ」といっています。

沈黙が耐えられなかったのだろう

何か話していなきゃ間が持たないと
たぶん君なりにそう思ったんだろう
心が張り裂けそうさ

出典: 沈黙が愛なら/作詞:秋元康作曲:サトウシンゴ