"僕"は本当の自分を隠しているが...
2番
切り札にしてた見えすいた嘘は 満月の夜にやぶいた
出典: 空も飛べるはず/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
切り札にしていて、主人公が隠していた"嘘"とは何なのでしょうか。
そして満月の夜に、嘘をつくことをやめたようです。
1番の歌詞にも出てきた、"ナイフ"と併せて考えてみましょう。
主人公の"僕は"恋人に知られたくない、攻撃的な自分。
そして弱いところを隠していたのではないでしょうか。それが嘘ですね。
でもただなんとなく隠すことをやめたのではなく、"満月"という日にやめることを決めた。
これは主人公の大きな決心だったように感じます。
また、それが結局"見えすいた嘘"だったということは。
主人公は嘘を隠し切れない、不器用さを持っていたということではないでしょうか。
続きの歌詞を見ていってみましょう。
本当の自分をさらけ出す
はかなく揺れる 髪のにおいで 深い眠りから覚めて
出典: 空も飛べるはず/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
長いあいだ自分を隠してきた主人公。
けれど、恋人のことが好きで、ずっと一緒にいたいという思いを抱いたのかもしれません。
ふわりと隣から漂う髪の良い匂いにすら、胸が苦しくなるほどの愛しさを感じる。
もしかしたら恋人と一緒にいる中で、そんな気持ちを抱いたりしたのではないでしょうか。
大好きな人に対してそんな思いを抱いた経験がある方も、きっといらっしゃることでしょう。
この人ともっと、これからもずっと一緒に過ごして生きたい。
ですが誤魔化しの自分では、大事な人と長く一緒に居続けることはできませんね。
そんな思いから、大切な恋人に対して心を開くことにしたのでしょうか。
こんな世界でもきみとなら
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
ゴミできらめく世界が 僕たちを拒んでも
ずっとそばで笑っていてほしい
出典: 空も飛べるはず/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
2番サビです。最初の2行は1番と同じサビですね。
やっぱりあなたのことが大好きで仕方ない、空も飛べてしまいそう、という内容です。
その次ですが、ゴミできらめく世界??と最初は感じるでしょう..。
なぜならゴミって、きらめくとは思えないから。人が要らないと思って捨てたものです。
きらめくどころか暗くて汚くて、できれば見たくも触りたくもない。
どちらかといえば圧倒的に、そんなマイナスのイメージを想起させるような言葉でもあります。
この表現って、世間に対する皮肉を"きらめく"という言葉を使って表しているような気がしました。
ゴミのような世界=社会から突き放されても、僕と一緒にいて笑ってほしい。
そんなメッセージではないでしょうか。
面白くもない退屈でゴミのような世界でも、君と一緒に過ごせるのなら。
きっと僕の毎日は、今より楽しいものになりそうだから。
恋人への主人公なりの、そんな好きという気持ちを込めた言葉なのかもしれませんね。
確かめるように繰り返す言葉
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
夢を濡らした涙が 海原へ流れたら
ずっとそばで笑っていてほしい
出典: 空も飛べるはず/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
ラストのサビです。
1番のサビと同じ歌詞になっています。
青春時代のラブソング
通して見てみるとやはりこの曲は、青春時代のラブソングであると思いました。
好きな人とずっと一緒にいたい、君と一緒にいれるなら空も飛べるはず。
いい意味で、若いからこその大好きな相手への全身全霊の好きだ、愛してる、という気持ち。
それを非常にストレートに乗せた歌詞であるようにも思います。
大勢の人が生きる世間を少し斜めに見た、皮肉っぽい感じからもそんな姿勢が読み取れますね。
自分達にとってあまり望ましい世界ではないかもしれない。
けれど君と一緒なら、少しはましに生きていけるかも。
そんなところでしょうか。
爽やかで希望のある歌詞だと思います。