生きる目的は何なのか、その答えを知る人はきっといないはずです。
野田洋次郎は、絶対に当てはまらないであろう目的をこの歌詞で除外しました。
泣きながら生まれた人間は、数分で泣き止み、穏やかな寝息を立て始めます。
生まれながらにして泣き止む術を知っているのです。
泣くために生まれたのなら、人間は大人になっても泣き続けているのではないでしょうか。
人間だから実現する希望のリレー
助け合う心や思いやる心は、災害のときにだけ引っ張り出してくれば良いのでしょうか。
日頃の生活には不要なものなのでしょうか。
近くにいる意味
あんなに近くに見える 隣同士の星よりも
僕らは ずっと近くで 息をする
出典: 夜の淵/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
ふたつ並ぶ星の距離が近過ぎるとお互いが悪い影響を与え合い、片方が消えてしまうことがあります。
人間はどうでしょうか。
例えすぐ隣にいても、消えることなく生きていられます。希望の光を与え合うことがあっても消してしまうことはありません。
見た目の距離よりも、心の距離が重要なのではないでしょうか。
誰もが持っているはずの能力
運命めいて結ばれた あの美しい星座よりも
僕らはずっと近くで 想いあう
僕らは ぎゅっと手を 繋ぎあう
出典: 夜の淵/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
天の川を隔てたふたりとは違い、人間は手を伸ばせば誰かに触れることができます。
37度の体温を握り合った瞬間、誰かの希望の灯火はふたつに分かれ、片方は手と手を渡って相手の心に火を灯すのです。
感情を持つ人間にだけ許された超能力、かもしれませんね。
目が覚めたら希望が増えている『夜の淵』
災害の惨状を目にした人たちに対して「絶望の淵に立たされた」という表現が使われます。
絶望は「希(のぞみ)」が絶たれた状態です。
果たして今まで本当の「絶望」の淵に立った人はどれほどいるのでしょうか。
多くの人は「夜」の淵に立つのです。
夜はどれほど続くのか分かりませんが、地球が回り続ける限りいつか終わります。
暗くて長い夜を少しでも明るく照らそうとするのが、人々の心に宿った希望の光なのではないでしょうか。
誰かを照らす存在でありたい、そんなふうに感じるRADWIMPS『夜の淵』でした。
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