amazarashi「季節は次々死んでいく」とは?

「季節は次々死んでいく/amazarashi」のMVの衝撃的すぎる?!歌詞を徹底解釈!アニメ主題歌♪の画像

「季節は次々死んでいく」は、2015年2月18日に発売されたamazarashiの1stシングルです。

2015年1月より放送された『東京喰種トーキョーグール√A(ルートエー)』のエンディングテーマ曲として起用されたことで話題になりました。

上のジャケットは現在は入手困難なのですが、期間限定のアニメ版のCDジャケットです。

原作者の石田スイさんによる書き下ろしで、主人公の金木研が描かれています。

度重なる拷問によって白くなってしまった髪、赤く染まった爪と、怯えるように縮こまり頭を抱える姿が印象的で、曲の内容の想像を膨らませるようなジャケットですよね。

...あなたは見られますか?衝撃的なMV!何を意味しているのか?

「東京喰種」は、知っている人も多いと思いますが、『週刊ヤングジャンプ』に連載中の映画化もされた人気漫画です。

この作品の設定である、私たちが食べ物を食べないと生きられないように、人間を食べることでしか生きられないという「喰種(グール)」ということから、この作品に触れることを躊躇している人も多いと思います。

しかし、実際には、喰種の臓器を移植されたことにより、人間から半喰種となってしまった主人公の葛藤を軸に、「喰種(グール)」や対立する人間たちの、苦悩や悲哀などの人間ドラマを中心に、登場人物たちの感情が鮮明に、そして丁寧に描かれている作品なので、残酷性だけで否定するにはあまりに勿体無い作品ですよね。

そして、映像のショッキングさだけで避けているともったいないのはこのMVも同じです。

キャラクターの魅力とデザインされたフォントで衝撃的ながら最後まで引き込まれるMV

「季節は次々死んでいく/amazarashi」のMVの衝撃的すぎる?!歌詞を徹底解釈!アニメ主題歌♪の画像

松永かなみさんが演じる、「東京喰種」の登場人物である神代利世を彷彿とさせる姿の女性がレーザーカッターで歌詞の文字の形に切り抜かれた肉を食べ続けるMV

血のような液体が滴り落ち、汚れていく様は衝撃的です。

しかし、映像監督の稲葉右京さんのアイデアらしいのですが、きちんとデザインされたフォントが出来上がる様子や、クラシックバレエの経験もあるという松永さんが貪るように、しかし、滑らかに踊るように肉を口に運んでいく様には、不思議な美しさもあります。

では、このMVが意味するものを考えていきましょう。

映像に不快感を覚えて見るのをやめてしまったという人も見方が変わるかもしれませんよ。

生肉を食べるMVが意味するものとは?

イノチはイノチを食べて生きています
イノチを食べた私はいつかイノチに食べられる
私が美味しいといいのだけれど

恐竜人間/谷川俊太郎

出典: https://twitter.com/todaysbungaku/status/824230133556920320

MVの最初で映ったノートパソコンの画面には、上に引用した、谷川俊太郎の「恐竜人間」から抜粋された詩が表示されています。

食物連鎖と、生命の輪廻転生、そして、自分という生の終わりを「私が美味しいといいのだけれど」と穏やかに見つめる視線を持つ詩。

この詩こそが、このMVのメッセージを凝縮しているのです。

肉を貪り続けた女性は最後のシーンではいなくなり、代わりに肉でできた蓮の花が残されています。

仏教で生まれ変わりの象徴である蓮の花によって、今度は与えられた分次は女性が返す番ということや、輪廻転生を意味しているのでしょう。

また、このMV中の食べるという行為は生きるということでもあると思います。

犠牲の上とわかっていても、命を頂き、そして、生きるしかない、前に進むしかないという人間の姿が描かれたMV。

悲しみも苦しみも痛みも背負って、それでも生きて、前へと進み続けるしかない「東京喰種」の主人公である金木研の姿とも共鳴しているのかもしれません。

「東京喰種」の原作漫画にも多用されている手法ですが、ラストカットの蓮の花には隠し文字が入っていて、そのメッセージも上記に書いた内容と一致していました。

よかったら探してみてください。

amazarashi「季節は次々死んでいく」の歌詞解釈

ここからは「季節は次々死んでいく」の歌詞をピックアップして紹介していきます。

秋田ひろむさんが歌詞に込めた意味とは...?徹底解釈しますよ。

季節は次々死んでいく

季節は次々死んでいく
絶命の声が風になる
色めく街の 酔えない男
月を見上げるのはここじゃ無粋

出典: https://twitter.com/amazarashi_bot/status/922417393250340864

曲名にもなっている「季節は次々死んでいく」という言葉は、人間の生命に対して無情に刻々と時間は過ぎていくということを表しているのでしょう。

そのため、次の歌詞は、季節が巡る度、人間の「絶命の声」がその季節の「風になる」というくらいに人間は次々と死んでいくということを歌っています。

そうやって昔から繰り返されてきた人間の営みは例えば月を見上げて風情を感じ、歌を詠んだ平安時代の人とも変わらないのですが、時代は移り変わるため、平安時代の夜とは比べ物にならないくらい明るく「色めく街」であっても、「月を見上げる」のは粋どころか「無粋」な時代になってしまって、立ち止まることも許されないくらい忙しない社会になったと歌っているのです。

明日は次々死んでいく