マルチアーティスト向井太一
紡ぐ言葉のすべてが音に溶け込み、メロディーを成して流れ出し、リスナーの耳を優しくノックする。
向井太一は様々なジャンルのボーカリスト、エッセイスト、そしてシンガーソングライターとして幅広い分野で活躍を続けています。
『Break up』をピックアップ!
向井太一らしいスタイリッシュな映像に、「break up」の意味すら忘れてしまいそうになります。
『Break up』の歌詞に潜入!
「break up」を日本語に訳すと「別れる」「壊す」という意味になります。
向井太一の『Break up』にはどのような別れが描かれているのでしょうか。
軽快なリズムに乗せて歌われている『Break up』の歌詞を紐解きます!
別れの予感と向き合うこと
恋人同士の別れには、様々な形があります。
『Break up』の2人はどのような経緯を辿っていくのでしょうか。
自分を騙しておけない
言葉をなくして 気持ちは見えなくなって
これでいい これでいい
なんて思えないから
ただ流れてゆく 日々が続いていくだけ
これでいい これでいい
なんて思えないから Break up
出典: Break up/作詞:向井太一 作曲:向井太一,CELSIOR COUPE
別れの予感、というものを感じたことはありますか?
何か決定的な出来事があったわけでも、目に見えて亀裂が走ったわけでもないのに、ふと終わりを感じてしまう瞬間です。
このとき、どう対応するかは人それぞれ。
気づかないふりをして関係を継続する人もいるでしょう。しかしこの曲の主人公は違いました。
終わりを感じた瞬間から、一体今まで相手とどんなふうに会話をしてきたのか分からなくなります。
ですから「何気ない」素振りを装う必要が出てきますし、それができなければ会話すら成り立ちません。
当たり前のようにそこにいる相手は、もう自分を愛していないのではないか。
信じたい気持ちと疑念が混ざり合い、正解が見えないまま時間だけが過ぎていきます。
それでも「恋人」という関係性にすがりたいのであれば、何気ない素振りを装って別れの気配を無視していればいいのでしょう。
別れたくないという一心で不安から目を背け、「日常」を続けるという選択肢もありました。
しかし主人公は割り切れなかったのです。
出した答えは「break up」でした。
break upの意味を細かく表現すると「壊す」「別れさせる」となります。
つまり、自分の意思で壊す、別れることがbreak upなのです。