グッドモーニングアメリカの「空ばかり見ていた」とは?

【空ばかり見ていた/グッドモーニングアメリカ】生きることが不安!現代人の怒りをぶつける歌詞を解釈!の画像

グッドモーニングアメリカの「空ばかり見てた」は、2010年10月13日に発売されたインディーズ時代の1stミニアルバム表題曲です。

最初のアルバム収録曲ながら、バンドの高すぎる実力を見せつけた本作。

MV歌詞からその魅力を掘り下げていきます。

「空ばかり見ていた」のMVに込められたメッセージを読み解く

海辺で演奏するバンドのパートとスーツの男性のパートに分かれている「空ばかり見ていた」のMV

演奏しているカットのかっこよさは説明するまでもなく見ていただければわかると思うので、男性のパートの方を解説します。

MVに登場する男性が意味するものとは?

暗い部屋の中で鬱屈を溜め込んでいる男性。

スーツ姿で一般的には働き盛りと呼ばれるような年齢に見えます。

しかしながら、その激しい動きから、心中の不安や、不満はとてつもなく大きいものだとわかりますね。

そして次のカットは海に飛び込むシーン。

思いつめて飛び込んでしまったのか、もしかしたら命を経とうとしたのかもしれません。

しかし、飛び込んで海中から見た空は、明るかったのでしょう。

水中で開けた目の、力強さからはまだ終われないという思いが伝わってくる気がしますね。

その後、海に浮かんで目を閉じている様子から一瞬嫌な予感が頭をよぎってしまいますが、再び男性は目を開けます。

辛くて、苦しくて。

自分の人生から逃げようと思えば逃げられる。

それでも、やっぱり生きていたいと思ってしまうのは...。

そんなことを考えさせられるメッセージ性のあるMVですね。

では、そんな「空ばかり見ていた」の歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか。

次は歌詞の意味を考えていきます。

グッドモーニングアメリカ「空ばかり見ていた」の歌詞を解釈!

MVの意味を解説する中で、少し手がかりがありましたが、ここからは「空ばかり見ていた」の歌詞の意味を解釈していきます。

現代人の行き場のない怒りにも似た不安を歌う本作。

今が辛いという人も読んでいただければと思います。

現実は不安なことばかり、理想と乖離していく

妄想想像ばっか 膨らまして
この現実にイライライライラ
隔靴掻痒状態 生きる事が
いつだって不安だ

出典: 空ばかり見ていた/作詞:SHINGO KANEHIRO 作曲:SHINGO KANEHIRO

「隔靴掻痒」とは、文字で想像がつく人もいるかもしれませんが、痒いところに手が届かないように、じれったくもどかしいことです。

妄想や想像の中では、自分のしたいこと、すべきこと、そして、なりたい自分があるのに、それと全く違う現実にただイライラしているのですね。

そんなに無謀な理想を描いているわけでもないのに、その願望に届きそうで届かないままの低空飛行を続ける現実。

いつも不安にかられ、夢や希望はその向こう側に変わらずあるだけ。

あるとわかっているからこそ、手が届かないのがもどかしい。

そんな心情ですね。

不安もあまりに募ると、怒りに変わってきますよね。

わかりやすく言えば受験勉強のことで親に大丈夫なの?とか聞かれて、そんなのわからないと逆ギレしてしまうような感じでしょうか。

受験は不安でもまだ若いから、それでも希望があるのですが、それが大人になるにつれて...先行きの不安ばかりが大きくなることはあるものですね。

妄想や想像の中に逃げ込むことはできる...けど

妄想想像ばっか 見ていたって
逃走スペースに困りはしないが
なぁ違う 俺が見るべきは
飾らない そんな現実なんだ

出典: 空ばかり見ていた/作詞:SHINGO KANEHIRO 作曲:SHINGO KANEHIRO

頭の中は何を考えていても自由ですが、だからといって頭の中の理想ばかりを見ていても、現実は何も変わりませんよね。

妄想や想像の中に逃げ込む分には無限だが、見るべきは現実だというこの歌詞にはそんな意味が込められているのでしょう。

そう、今変えたいのは現実なのです。

しかし、変わらないのがまた現実で。

目を背けたくなるような毎日に、どうしていいか、何が正しいかなんてわからない現代人の不安が溢れてくるような歌詞ですね。

もう覆せない「どうしようもない運命」と諦めるのか