1stアルバム「あとのまつり」に収録された切ない楽曲

才能の片鱗

back number【fallman】歌詞を考察!さよならって言われるのがわかっているのに…切ないの画像

今や、若者を中心に絶大な人気を誇る「back number」。

アップテンポのリズミカルな楽曲や、感動するバラードなどを見事に唄い上げています。

クリスマスになると、彼らの楽曲が街中に聴こえてきますね。

実は『fallman』が収納されている1stアルバム「あとのまつり」はインディーズでした。

そのことは周知の通りでしょうか。

2ndアルバムからメジャーデビューをするのです。

1stアルバム発表時から、彼らは自身の才能の片鱗をいかんなく発揮しています。

題名を見ただけでは「ダメ男」のことが唄われているのかな、と想像してしまいますね。

でも、予想は見事に裏切られました。

男に振られる寸前の揺れ動く女性の微妙な動揺と心境を唄い上げている歌詞なのです。

どこかで聴いたことがある楽曲?

back number【fallman】歌詞を考察!さよならって言われるのがわかっているのに…切ないの画像

『fallman』は、多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。

シングルカットされていないにも関わらず、私自身も聴いたことありました。

出だしのAメロから静かにメロディーに入り、1番のBメロから急激に激しくなっていきます。

そして、そのメロティーがカッコイイのです。

高い演奏技術を堪能することができます。

それが、若者を中心に広く支持されている所以なのでしょう。

また、女性が別れたくないのに振られてしまうであろう、切ない歌詞なのです。

まだ愛しているのに「さよなら」を告げられに出発をしなければなりません。

出だしはちょっと強気

別れに行く直前

back number【fallman】歌詞を考察!さよならって言われるのがわかっているのに…切ないの画像

出だしは弱気になっている、でもそれを隠そうとする女性の心理を唄い上げています。

冒頭では、強がっている言葉がつづられているのです。

私の方から振ってやるのよ、という切なくも強い決心。

それは、無理している女心の「強がり」なのでしょうか。

電話に出ないそれだけで 全部終わらせるつもりでしょう
あなたがそれでよくたって 私が今も望むのは

車の鍵と家の鍵 あなたに返す合鍵も
それだけ持って会いに行く 答えを聞きに

出典: fallman/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏 編曲:back number

男性は会わずにコッソリ別れるのを望んでいるのでしょうね。

自然消滅しようと画策して、電話にいくらかけても出ません。

女性から逃げようとしているようにも受け取れます。

だから電話に出ないのですね。

しかし女性は、そんな恋人の心理を鋭く見抜きます。

「車の鍵」「家の鍵」そして「合鍵」を返すつもりで会いに行くのです。

「鍵」のエピソードからもわかるように、おそらく半同棲だったのでしょう。

でも、本心は「男性の本音・答え」を訊きに行くのが目的なのではないでしょうか。

鍵のエピソードからも、2人の仲が如何に深かったか容易にわかりますね。

そして、電話に出ないつもりなら、こちらから押しかけてやるという決心。覚悟。

鬼気迫る心理ではないでしょうか。

決心

「愛してる」も「さよなら」も同じ声

当たり前ですが、愛を伝えるのも別れを告げるのも同じ男性の声なんですね。

伝える内容が正反対なだけです。

なぜだか不思議な気分になってしまいます。

あなたが好きって言ってたこの手この指で
エンジンをかけて走り出す
愛してるよって言ってたその同じ声で
さよならって言われに走ってく

出典: fallman/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏 編曲:back number

男性は「愛してる」も、女性を「褒める」ことも散々伝えてきたのですね。

如何に深く愛し合っていたのかが痛いほど伝わります。

なぜ別れることになってしまったのでしょうか。

その理由は、唄が終わっても明らかになりません。

それだけ普遍性を持たせたかったのでしょう。

「愛してる」も「さよなら」も同じ声。

女性は振られることを、もう十分に理解してるのですね。

あんなに愛し合っていたのに......

女性の壮絶な勇気。

女性は面と向かってハッキリと別れを告げて欲しいのです。

別れたくない気持ちと矛盾しているようですが……

そうしてくれないと、気持ちの整理がつかないのでしょう。

罵声でも浴びさせたかったのかもしれません。

振られると分かっていても会いに行く、相当な覚悟と勇気だと思います。

「さよなら」と言われるのが分かっていても、会いたい。

まだ未練が存分にあるのですね。

それでも、敢えて会いに行く心は苦しく痛かったでしょう。

男性が女性のことを「好き」って言ってくれた、「愛してるよ」と囁いた言葉。

やはり、そんな言葉が頭を駆け巡るのですね。

そして「さよなら」と告げられることが分かっていても、会いに行く覚悟。

やはり切ないですね。

男性のこの「好き」「愛してる」というメッセージは、この後繰り返し出てきます。

やはり未練があるのです