数少ない試み

fripSideは、さまざまなゲームやアニメなどの楽曲を担当してきましたが、その作品と同名のタイトルを楽曲につけることは、非常に少ないです。

「探してみたらいくつかあった」という程度ですので、第2期fripSideだけでも50作品ほどのタイアップをしていますから、物の数ではないでしょう。

今回のアニメ『キリングバイツ』では、英語表記にはしたものの、同じタイトルの楽曲になっています。

ここに込められた強い意志を感じながら、fripSideヴァージョンの試聴動画を見てみましょう。

【fripSide】2018.02.28「killing bites」試聴動画

それでは、歌詞を追ってみます。

killing bites!混ざり合う叫びは 静寂を切り裂く
研ぎ澄ませる野生で 勝者だけが繋ぐ明日(あした)
鋭く磨いた牙 噛み付くその狂気
立ち向かう闘いに 理由(わけ)など要らない 強さ求めるだけ

出典: killing bites/作詞:八木沼悟志 作曲:八木沼悟志

冒頭から、アニメと楽曲のタイトルとなる「killing bites!」と叫びながら入ります。

闘う両者の雄叫びが、周囲と隔絶された静寂の中に響き渡るさまが思い浮かぶでしょう。

獣化することによって野性味を研ぎ澄ませ、勝たなければ明日は来ない。

自分の持つ牙を鋭く磨くことにも、狂ったように噛み付いて勝利を欲することにも、理由など必要ないのです。

ただ目の前の相手に勝利するためだけに立ち向かい、強くありたいと求めています。

心の奥底で 君は今感じる
日常の裏側 闇を彷徨う鋭い眼光

出典: killing bites/作詞:八木沼悟志 作曲:八木沼悟志

アニメOPヴァージョンではカットされている部分ですが、ここも案外重要です。

日常の裏側──つまり、普通に生きていれば知ることのなかった「獣人」たちの世界や闘い、それを見つめている誰かの視線を、はからずも知ってしまいました。

それはもう、「なかったこと」にはできないのです。

螺旋に繋がれた 生命の約束
止まらない進化が 呼び覚ましてく 命の鼓動

狂おしく餓えて 乾いた心だけ
溢れる闘気を纏って いま立ち上がる

出典: killing bites/作詞:八木沼悟志 作曲:八木沼悟志

「螺旋に繋がれた生命」は、DNAのことでしょう。

つまり、本能的な闘争心です。

闘いを重ねるごとに経験値が高まり、進化して呼び覚まされる──これは覚醒を意味しているはずです。

アニメの内容に通じる部分ですね。

遺伝子レベルで求めてしまうほどに餓え乾いた闘争心をむき出しにして、ひたすら強者との闘いを繰り返す獣人を描写しているようです。

shout and roar!解き放つ咆哮 その闇を震わす
恐れなく踏み出した その一歩が痛みを呼ぶ
鋭く刺さる罪は この世界に潜む
真実はその嘘を呑み込んだままで 全てを見つめてる

出典: killing bites/作詞:八木沼悟志 作曲:八木沼悟志

叫び声と轟音、振り切った咆哮が闇さえも震わせます。

それほどに危険で命の保証もない場所に、恐れを知らず無防備に踏み出した一歩のせいで、痛みを知ることになるのでしょう。

人を殺すという犯罪も、「その世界」ではうまく揉み消されるため、罪悪感だけが胸に刺さっています。

真実はわかっているのに、それを嘘だと知りながら黙認し、全てを見つめている……それが誰なのかは、アニメまたは原作本などで確認してみてはどうでしょうか?

【killing bites】fripSideになかった攻撃的な楽曲!?アニメ「キリングバイツ」OPの画像

まとめ

アニメやゲームとのタイアップの多いfripSideですから、もちろん非現実的なバトルものには慣れているでしょう。

しかし、『キリングバイツ』は「牙の鋭い方が勝つ」というキャッチコピーの通り、特別な異能力や魔法などではなく、生身の身体と爪や牙で闘います。

ですから、肉弾戦ならではの激しさがあるでしょう。

それが表現されたこの楽曲は、fripSideの中でもなかなか攻撃的な楽曲になっていると思います。

ここからまた、fripSideの可能性もさらに広がっていくのでしょう。

そう期待せずにはいられません。

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