2番目のサビになります。
降り続く雨に、ふたりで過ごした街での思い出、さらには自分たちがいた形跡を消してほしい、という願いを込めたメッセージです。
どうしようもなく断ち切れない想いを雨に託した、心からの叫びのようにも聞こえます。
きみのほう 振り返らず
夢に向かってきたけど
なくした蒼さと つかんだ何かに
今はまだ とまどっている
出典: 桜雨/作詞:Kiyoshi Matsuo 作曲:Jun Nakamura
彼との別れをきっかけに、主人公はそのことを考えないようにして、夢に向かって頑張ってきたようです。
その頑張りによってたくさんのことを得られた一方で、彼を失ってしまったことへの戸惑いが優っているようですね。
桜を濡らす やさしい雨が
私の頬を伝わってゆく
どうかこのまま 降りやまないで
涙がかわくまでは もう少し
この雨に打たれていたい
ねえ桜雨 私の願い かなえてほしい
どうかこのまま 降りやまないで
どこかで気まぐれにきみが吹いた
口笛の音 消し去るまで
出典: 桜雨/作詞:Kiyoshi Matsuo 作曲:Jun Nakamura
彼の口笛を消し去る雨
最後のサビになります。
「ねえ」「どうか」との呼びかけが、さらなる願いの強さが込められています。
雨によって、主人公の記憶にある「彼の口笛の音」を消してほしいとの願い。
それは、彼との思い出と彼への想いを自分の元から消し去って、新しい自分にしてほしいという願いでもあるように受け取れます。
「雨」に託した想いとは?
さて、ここまでに出てきた「雨」に託された想いをまとめてみます。
まず、1番目のサビでは「主人公が流す涙を隠して」=今の自分の感情を周りに隠してほしいという願い。
2番目のサビでは「ふたりの街を塗りかえて」「私たちの足あとを洗い流して」=ふたりの辿った痕跡を洗い流してほしいという願い。
そして、最後のサビでは「気まぐれにきみが吹いた口笛の音を消し去って」=彼の存在を私の中から消し去ってほしいという願い。
新しい自分を雨に託して
雨に託している願いの内容が、次第に深い意味になっていることがわかります。
自分ではどうすることもできない気持ちを、美しい桜を濡らす雨なら何とかしてくれる、さらには、新しい自分に生まれ変わらせてくれる、という淡い期待が込められているようです。
ドラマ仕立てのPV!
女優を目指して奮闘してきた主人公が、「桜雨」という題目のドラマに挑戦しているシーン。
セットの桜を見つめる彼女に、かつて桜の季節に出会って楽しい思い出を共有した、昔の恋人の記憶が蘇ります。
彼女の夢をずっと隣で応援してくれた彼。ですが、仕事が軌道に乗るにつれ、彼との溝ができていきます。そして桜の咲くころに、涙の別れを経験したのでした。
桜の前で涙を流すシーンが秀逸!
ドラマのシーンと実体験を交錯させ、桜の前で雨に濡れながら涙を流す彼女の表情がとても印象的です。
歌詞の内容をわかりやすく、そして美しく映像化した作品と言えます!