Poppin'Party「八月のif」
「ポッピン パーティー」。略称「ポピパ」。香澄が中心となって結成されたバンド。メンバー全員が花咲川女子学園高等部の同学年で、高等部1年生時点では有咲以外は全員同じクラスである。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/BanG_Dream!
彼女たちの楽曲の中から今回ご紹介するのは、8月を舞台にあるストーリーを歌詞で表現した「八月のif」です。
夏という季節の爽やかさと切なさが巧みに表現されている楽曲。
サウンド面では切なさを感じるピアノの音色が特徴的で、そこから歌詞との深い親和性が感じられるのです。
今回の記事では「八月のif」の歌詞の物語に注目し、その言葉が持つ意味を解釈していこうと思います。
夏の情景
夕日を見つめながら
陽炎がゆらゆら揺れてる
沈む太陽を見つめながら 考えてた
出典: 八月のif/作詞:中村航 作曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
1行目から伝わってくる日差しの強い夏の情景。
陽炎という現象によって、夏の茹だるような暑さが伝わってきます。
2行目の歌詞から分かるのは、時刻が夕方であるということです。
夕焼けに染まる風景を見ながら主人公が考えているのは一体何のことなのでしょうか。
太陽が沈んでいくという事柄から伝わってくるのは時は無常であるということです。
誰もが同じ時間を生きており同じ今日は2度と訪れません。
主人公は戻ってはこない過去を思い返し、物思いに耽っているのでしょう。
別の可能性
わたしたち もしも出会えてなかったなら
どんな夏が待っていたんだろう?
出典: 八月のif/作詞:中村航 作曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
ここでは主人公が夕焼けを見ながら考えていたことを表しているのでしょう。
もし過去の自分が別の選択をしていた場合の現在。
そのような話は「もしも」でしかありえない話ですが、それでも思わずにいられない理由があるに違いありません。
それが一体何なのかはここでは明確には分かりませんが、決してネガティヴな感情ではないことが分かります。
主人公は自分たちが過ごす「今」に対して、何らかの特別な感情を持っているのでしょう。
偶然と必然
出会えた運命
「違う夏、さがしてた?」
「それぞれ夢、追いかけた?」
「でもホントにそうなのかな?」
「やっぱりね、いつかは……」
「……出会ってたのかな?」
出典: 八月のif/作詞:中村航 作曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
鉤括弧で括られていることから、ここは前述した歌詞で言及している「わたしたち」による会話だと分かります。
出会っていなかった場合他人同士だったかもしれない。
偶然がもたらした出会いに対して、彼女たちは運命を感じているのではないでしょうか。
同時にこれが必然であると思いたいという気持ちもあるようです。
もしも過去に違う選択をしていた場合でも、自分たちは出会っていたに違いない。
そう思うのはきっと彼女たちが互いに互いのことを大切に思っているからでしょう。
同じ志で夢を目指せる仲間がいることを喜ばしく思っていることが伝わってきます。