励ましに救われていた日々

何処に行くにも彷徨って間違うばかりの日々だ
ああ 僕はうまくやれるかな また泣きそうになったよ
「きっとあなたは大丈夫」
「とても強い人だから」
その言葉の奥で笑う顔 いつも救われていたの

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

二人は何か理由があって距離をおいたのでしょうか。

もしくはアニメ「BORUTO」を元に考えるとすれば、子どもの親離れのようにも感じます。

離れ離れになってから主人公は失敗ばかりしているようです。

今までうまくできていたのは「君」の存在があったからなのだと実感しています。

ここでふと浮かぶのが「Polaris 」、つまり北極星です。

前に進む指針のような存在だった「君」はまさしく北極星だったのではないでしょうか。

星が消えてしまった明日に思いを馳せ、絶望に押しつぶされそうになります。

その度に思い出すのが「君」の励ましでした。

自分を信じてくれていることがわかる励ましの言葉と「君」の笑顔。

それは絶望の淵から引き戻してくれるパワーを持っていました。

「君」の声が「僕」を強くする

何億通りの細胞で反応したあの日の君だって
この胸に刻まれた痛みは想像なんてしてましたか
これほど繰り返した感情で一体何を答えたらいい?
これだけ積み重ねた年月で一体何を歌えばいい?

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

「君」の励ましの言葉には様々な思いや考えが含まれています。

「きっと」ということは確実性はありません。

でも自分が「平気だよ」と言ってあげることで相手は納得すると踏んだのかもしれません。

自分の影響力を知っているからこそできることですね。

納得させるための言葉を選びに選んで、「僕」に伝えたのでしょう。

こうして様々なことを考えている「君」ですが、実は「僕」の傷を癒やすには力不足でした。

一番分かって欲しい心の傷の深さに気づいてくれなかったことが、「僕」にとって最大のショックです。

叫びが届いていないことが分かった「僕」は、「君」の励ましに対する返答もできなくなってしまいました。

忘れられるはずもないけど 君の声を聞かせてほしくて
泣きじゃくれる場所を見つけて叫んでしまいたいだけ

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

心の中で膨らんでいく思いを全て吐きだしたところで「君」への思いは消えません。

叫ぶ目的は、心の中をスッキリさせるためではなく「君」に届けるためです。

「僕」が叫べば「君」は励ましてくれる。例えその内容がスカスカでもいい。

いつだってそばにあった「君」の声を感じて、強い自分であるための方法を模索するのかもしれません。

それほどまで「僕」にとって「君」は大きな存在だったのです。

「君」が指示したこととは

ひとりきりでも続く生 夢の終わりを告げる声
誰も居ない道を行け 誰も止められやしないよ

また一歩足を踏み出して あなたはとても強い人
誰も居ない道を行け 誰も居ない道を行け

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

人間は一人でも生きていけます。一人でも生きていかなければなりません。

「君」がいなくなっても世界は終わりませんし、命も終わらないのです。

「君」がいた時間は幸せで、いつまでも続けと願ったことでしょう。

しかし今、現実を見なければなりません。

先が見えない道の入口にたった一人で立っている「僕」に届く声がありました。それはおそらく「君」の声。

「君」は「あなたはとても強い人」と言いますが、これは口先だけの励ましではなく心からそう思っているのだと感じます。

「君」を探して叫びそうになり、泣きそうになって、「君」の言葉の残響を頼ってしまう「僕」。

自分の弱さを隠そうとしない「僕」だからこそ強い、と「君」は思っているのではないでしょうか。

また、この曲で何度も歌われるフレーズが「誰も居ない道を行け」です。

これまで「君」が掛けた言葉は励ましばかりでしたが、このフレーズは命令形の指示になっていますね。

たった一人だとしても、自分の心が指した方に進んでいけばいい。一人なのだから、邪魔なんてされないのです。

「星をめざして皆と同じ道を歩くのではなく、心が指し示す方向を辿っていきなさい」

例え目指す星が同じだとしても、ルートは自分で選べばいいのです。

「僕」の本当の強さを知っている「君」だから掛けられる言葉ですね。

「僕」が「君」に伝えたいこと

「僕」目線でつづる本当の「君」の姿が描かれています。

今度は「僕」が励ます番です!

なぜ「君」は強いのか

どれだけ涙を流して 明けない夜を過ごしたろう
そのすべての夜に意味はある、
そう信じてやまないんだよ

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

これから先を悲観するばかりで突破口が見いだせない日々。

夜がとても長く感じるのは、悩みのある人の特徴といえます。

夜の度に涙に暮れて、結局何も見いだせないまま時間が過ぎるのを待っていたのでしょう。

しかし涙は感情の発散方法の一つですし、自分がどれほど辛いのか再認識することだってできます。

結論が出ないまま無駄な時間を過ごしてしまった、ということはありません。

きっと結論に至るまでの時間にこそ、大切なものが詰まっているのです。