きっとあなたは大丈夫 誰より「ひとり」を知ってる
この言葉の意味すら超えてさ、とても強い人だから

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

「君」からの励ましの言葉を、「君」に当てはめています。

実は誰よりも孤独を知っている「君」。そして「僕」は「君」の孤独を知っています。

「君」はなぜ強い人なのか。その理由は次の歌詞に描かれていました。

ポラリスの孤独

何千何万回繰り返した自問自答の果てはどうだ
「孤独だとか弱さだとか、あたし以外の誰もわかるはずがない。」
掃き溜めの中、光る宝石のそのまた影にうずくまって
でも、一体あたしは誰なんだって叫べるほど弱くもなくて

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

北極星は夜空の中でその位置をほとんど変えることなく、同じ場所で光っています。

時間や季節で移動をして他の星と近づいたり、光を強めたり弱めたりする他の星とは違うのです。

孤独、といえるかもしれません。

実は北極星は3つの星でできています。

そのうちの一つは伴星と呼ばれ、主星であるポラリスAの光によって殆ど見えません。

これもまた孤独ではないでしょうか。

しかし、ポラリスAを押しのけて光を発することもできません。

「僕」は、ポラリスAを押し退けて光ることを「弱い」と言っています。

でもきっと「君」にとっては、それができる人こそ「強い」人なのでしょう。

内から放たれる光

色褪せぬ誇りを知れたのは
誰でもなく、あなたのせいで
僕はどれだけ何を与えることができていたのでしょうか

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

光は淡くとも、主星に消されてしまっても北極星を構成する星なのは間違いありません。

旅人の道標として常に夜空に輝いている北極星の姿は、誇り高く見えたのでしょう。

他の二つの星ではなく、伴星の存在こそが「僕」の胸を打ったのです。

一方、「僕」は弱音をぶつけるばかりで「君」にしてあげられることは何もありませんでした。

この胸に灯った一欠けらの
明りの意味を今言うよ
喜怒哀楽すべてが僕の譲れない光だってこと

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

強い人は、誰かに頼らずとも自分で行き先を照らすことができる、ということではないでしょうか。

進む先も考えも、誰かの意見ばかり汲んでいるうちは、自分の中に光が生まれないのです。

自分から生まれた素直な感情が胸の中に灯りをつけてくれます。

悲しみも怒りも決して暗い光ではなく、先を照らしてくれる大切な光。

だから自分の中に湧いた感情の全てを大切にしなければなりません。

あなただけの「軌跡」を

何処にでも行けるはずだ その光に従って
何も言わずともきっと 君は知っているはずだろう
その一歩、足を踏み出した
あなたはとても強い人
誰も居ない道を行け 誰も居ない道を行け

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

自らが光を放っていれば、一人で歩いていけます。

伴星だって光っていますから、主星がいなくても行き先を照らすことができるのです。

北極星の伴星が勝手に動いてしまったら世界を揺るがす大ニュースになってしまうでしょう。

だからこそ、今いる場所から片足だけを前に出してみるだけでも「強い」といえるのではないでしょうか。

今度は「僕」が「君」に言います。

自分の光を信じて、誰も進んだことのない軌道を描いてみなよ!と。

明日は自ら創り出す

疑うことばかり覚えた僕らが立つ未来で
声を枯らして叫びたい、叫びたいと
夢を歌うことすら忘れていたけれど
今、どうしようもなく、伝えたい

出典: ポラリス/作詞:wowaka 作曲:wowaka

何をするにも自信が持てず、大勢の意見を聞いて安心感を得なければ進めない。

褒められてもその裏を読もうとしてしまう。口に出したら笑われると思って感情を飲み込む。

私たちの日常ではよく見る光景ではないでしょうか。

自分や他人を疑いながら生きている気がします。

子どもの頃は、例え叶わないとしても、誰かに笑われるとしても大きな夢を描いていました。

感じたことを感じたままに、少なくとも自分の心を疑わず心に嘘をつかずに言葉にする、行動を起こす。

「僕」が「君」に伝えたいことの本質はここにあるようです。