世間を知らず 街を飛び出し
ここで暮らす今
いつの間にやら ふるさとのような温もり感じてる WOW
出典: 愛の軍団/作詞:つんく 作曲:つんく
大人たちのいうことには反発してきたものの、実際世間に出てみるとわからないことだらけ。
この時期にいろんな壁にぶつかって、大人たちにいわれたことが身に沁みたりするんですよね…。
そんな慣れない環境に、最初は誰だって居心地が悪く感じるもの。
しかし住めば都とはよく言ったものですね。
いつの間にか社会人として過ごすその場所がふるさとのような、慣れ親しんだ場所になっていくのです。
そうやって順応を繰り返して、社会のイロハを少しずつ学んでいくんですよね。
自分に素直に
本当に誰かを守りたけりゃ
他人の目なんて気になんない
常識感覚とか言うけど
主観によるだろう
煩悩 本能
自分を信じて行くしか無い
愛の軍団
出典: 愛の軍団/作詞:つんく 作曲:つんく
このパートで言われていることは、周りに流されず自分を持つべきということ。
常識というのは飽くまで一般的にはどうなのかということで、自分にとって正解かどうかはまた別問題です。
煩悩と本能は自分の気持ちのおもむくままに行動することを表していて、規律を重んじる常識とはかけ離れています。
確かに常識外ればかりでは、社会人として生きていく上で成り立たない部分もあるでしょう。
しかしだからといって自分の気持ちをないがしろにしていては、幸せにはたどり着けないですよね。
常識をわかった上で、自分の気持ちに正直に。
これってとっても大切なことなのではないでしょうか!
苦労は美徳?
叱られるうちは花とか言うけど
ほんと? ほんと? ほんと? ほんと?
「苦労」買ってでもした方が良いって
ほんと? ほんと? ほんと? ほんと?
出典: 愛の軍団/作詞:つんく 作曲:つんく
「怒られるうちはまだいい」
「叱られて学べ」
「若いうちに苦労しておけ」
これらはしつこいぐらい使われてきた言葉で、まさに耳にタコができてしまいそうですよね。
若いうちは経験していないのだから、物事の道理なんてわかるはずがありません。
人間は叱られれば学ぶし、たくさん叱られるうちに物事の道理も覚えていくということですね。
理屈はわかっていても、思春期の若者に成長した先を見すえて…なんて大人びた考えはできません。
叱られればやっぱり腹が立つし、しんどいこともしたくない。
いずれやってくる未来ではなく、今がすべてなのですから、こういう疑問も生まれてくるというわけですね。
生きる意味とは
目的知らず この世に生まれ
歳 重ねた今
使命感的な何かが生まれてきたのは事実 WOW
出典: 愛の軍団/作詞:つんく 作曲:つんく
子供のころは、「自分がなんのために生まれたか」なんて考えもしませんでした。
そもそも生まれながらにして目的を持っている人なんていません。
成長するにつれて価値観が育っていくから、目的も生まれてくるんですよね。
思春期というのは、特に自分が存在する意味、自分の価値を求めようとするもの。
これは集団生活を送るうちに、自分以外の人間を想う能力が身に付いてくるからです。
異性を急に意識するようになったり、他人からの目が気になるようになったり。
最初は他人からの見え方を意識して見つけ出した目的でも、追求していくうちに大きな意味を持つようになったりするものです。
身近な関係を大切に
近くにあるときゃ わからなくて
遠く離れたら気がつく
無いものねだりが人間でも
ありがたさを知れ
孤独と戦い
大きな力に飲み込まれない
愛の軍団
出典: 愛の軍団/作詞:つんく 作曲:つんく
自分の身近にある存在ほど、その大切さを見失ってしまったりするもの。
一人暮らしを始めたてのころなど、実家でご飯が出てくるありがたみを痛感したりするんですよね…。
これは普段の人間関係にも同じことがいえます。
会社の同僚、上司、クラスの友達、先輩。
同僚や上司はその会社で働いていなければ関わりがないし、友達や先輩はひょんなことで関係が崩れてしまったりします。
その人たちがそばにいてくれることは当たり前ではありません。
最も、離れてしまったときに「ありがたい関係だったんだな」と気付くことが成長だったりもするんです。
そのありがたさを知っていれば、きっと孤独になったときだって乗り越えることができるでしょう。
今作のMVに隠されたメッセージ
黒の背景に赤や黒の衣装。
そして白の背景に白の衣装。
MVはそのように衣装とシーンが度々切り替わっていくのが印象的でした。
歌詞の内容を踏まえてみると、この演出は「未熟な自分」そして「成長した自分」を対比しているように感じます。
赤い衣装を着たメンバーはどこかやんちゃなイメージ。
黒い背景にもなんだか浮いて見えます。
これは暗にまだまだ幼くて、社会に順応できずにいる様子を表しているのではないでしょうか。
その一方で白の衣装と白の背景が表すのは、社会に上手く順応できた様子です。
未熟だったメンバーは、世の中に疑問を持ち反発を繰り返していました。
そこから順に社会を知り、自分の想いを大切にしながらも社会に溶け込んでいけるよう、成長していくのですね。