複雑に混ん絡がった社会だ
組織の中で ガンバレ サラリーマン
知識と教養と名刺を武器に
あなたが支える 明日の日本
そして you
晩飯も社内で一人 インスタントフード食べてんだ
ガンバリ屋さん Uh... 報われないけど

出典: everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿/小林武史

冒頭からなんだか救われない歌詞

「あなたが支える~」までは応援ソングかな?とも思えるんですけど……。

結局「報われない」で終わっちゃうんですね。

この歌詞だけ見ても、それまでの『innocent world』や『Tomorrow never knows』とは大分違います。

映画俳優を夢見る世間知らずの少女

上京して3年 彼女にすりゃ chance
地道なダイエットの甲斐もあって
カメラの前で悩ましげなポーズ
そして ベッドじゃ 社長の上に股がって
oh you
それでも夢みてる ムービースター
世間知らずの お人好しさん Uh...
相変わらず 信じてる

出典: everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿/小林武史

突然生々しい歌詞……。

歌われているのは、映画俳優を目指して上京してきた若い女の子。

しかし現実は卑猥な写真を撮ったり、枕営業をしたり……。

当時のシングルCDでよく「股がって」なんて表現が使えましたね。

かなり直接的な歌詞に、初めて聴いたときはびっくりしたものです。

こういった部分にも「ミスチルらしくない」という評価がされたのでしょう。

しかも映画俳優を夢見る彼女は、「世間知らずの~」と言われる始末。

夢も希望もあったもんじゃない。

サビでドロップキックがさく裂

everybody goes everybody fights
秩序のない現代に ドロップキック
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる

出典: everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿/小林武史

サビでは曲のタイトルが歌われています。

 「秩序のない~」からの歌詞は、いろいろな解釈ができることでしょう。

頑張っているのに報われないサラリーマンや、夢のために枕営業をする少女。

こんな不条理な世界やってられるか!

そんな怒りからの「ドロップキック」なのかもしれません。

もしくは、いい加減目を覚ませよ!と現代人に向けた「ドロップキック」とも考えられます。

サビの最後は、「皆 病んでる」で締められるというバッドエンド。

誰からも認めてもらえないのに頑張り続けるサラリーマン。

汚い世界に足を踏み込んでもなお、夢を信じ続ける少女。

確かにどちらも異常と言えば異常ですね。

2番の歌詞

【Mr.Children/everybody goes】ミスチルらしくないとされる歌詞の意味を解説!の画像

リアルな現実問題を敢えて歌詞に

愛する一人娘の為に
良かれと思う事はやってきた
“教育ママ”と 近所に呼ばれても
結構 家庭円満な この18年間
でも you
娘は学校 フケて デートクラブ
で 家に帰りゃ また おりこうさん Uh...
可憐な少女 演じてる

出典: everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿/小林武史

2番の歌詞も1番に負けず劣らず救われない歌詞。

歌われている歌詞の内容が妙にリアルで、その分絶望を身近に感じます。

「家庭円満」だと思っていたのは、母親だけ。

大切に育てたつもりの我が子は、学校も行かず、デートクラブでバイト。

しかも、そのことに母親は気付いていないという惨状。

こういうこと、実際にあるんですよね……。

現代社会の闇というか、他人事じゃない悲劇。

挫折とか失敗とか、そういうやり直せるような簡単な問題じゃない。

じっとりとしていて、根が深い。

そして決して無くなることのない人の愚かさ。

それを敢えて歌にしたというのが、この曲の凄いところです。

愚かながら憎み切れない現代人に向けて歌うサビ

everybody goes everybody fights
羞恥心のない 十代に水平チョップ
everybody knows everybody wants そして Yes Yes Yes Yes
必死で生きてる

出典: everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿/小林武史

2番のサビではドロップキックが「水平チョップに」。

「羞恥心のない十代」というのは、きっと当時の桜井さんが感じていたことなのでしょう。

若さというのは”価値”でもありますが、同時に”恥”でもあります。

しかし、若いときって己の醜態に気付けないものなんですよね。

よく”若気の至り”なんて言葉が使われますが、まさにその通り。

若さというのは無自覚な分、時に恐ろしいものです。

筆者も当時十代だった頃にこの曲を聴き、「羞恥心のない十代」の歌詞にはグサッと来ました。

さすがにデートクラブでバイトはしていませんでしたが……。

それでも、己の愚かさを見透かされているような気がして、少し冷静になった記憶があります。

2番のサビも1番と同じく”怒り”や”苛立ち”が感じられますが、最後の締め方がまったく違います。

1番で「皆 病んでる」と投げやりだったのが、2番では「必死で生きてる」に。

人は間違いを繰り返しながら、必死に生きてる。

愚かだけど、憎めない。

それが人間だと、現代社会に向けてメッセージを送っているのかもしれません。

認められないやるせなさ

Ah 仕事の出来ない連中は こう言う
あいつは変わった自惚屋さん Uh...
こんなにガンバッてるのに

出典: everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿/小林武史

大サビに入る前に歌われるこの歌詞。

「あいつは変わった~」という言葉は、もしかして桜井さんが言われたことのある言葉なんですかね?

どんなに頑張っても周りから認めてもらえないやるせなさ。

そして、自分を馬鹿にする連中を「仕事の出来ない~」なんて言いたくなる気持ち。

社会人なら共感できるはず。

本当は桜井さんが自分自身のことを歌った曲なのか?