離れない心

今描く放物線を
まだまだまだいけます
まだまだまだいけます

出典: まだいけます/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

交際期間が長くなればなるほど、離れ離れで居る時は恋人の存在が薄れてしまうもの。

それでも、逢う日が近づくにつれて、心が高鳴ります。

どんなふうに彼女との時間を過ごそう。彼が好きな料理を作って驚かせよう。

それぞれが想いを巡らせるのではないでしょうか。

この高揚感を“放物線”が表しているのではないかと推測できます。

ドキドキワクワクする感覚が続く限り、男女が関係を断ち切ることはないのでしょう。

この幸せが半永久的に続いてほしい。もっと絶頂を味わいたい。

貪欲に関係の継続を望む男女の姿が2行目・3行目の“まだ~”から想起されます。

耳の奥突き刺して甘い声で駆り立てて
見下ろした君の顔その顔がやめられない

出典: まだいけます/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

折り重なる男女の様相を赤裸々に綴っています。

“甘い声”で紡ぐ愛の言葉。愛しい人を見つめる“顔”。

1つ1つの所作が感覚器を刺激し、野生の本能を“駆り立てて”いるようです。

もっと私を奥深くまで知ってほしい。“君”を愛する気持ちが止められない。

濃密な時間に浸る男女の声が何処からか聴こえてきそうです。

添い遂げようとする男女

スリリングな関係に惹かれ

完璧な関係で完璧な快感で
これはもう戻れないこれはもう戻れない

出典: まだいけます/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

普通の男女とは違う関係性。世間一般で認められていない恋愛の形。

浮世離れした状況にいることが、男女の気持ちに拍車をかけているのかもしれません。

“完璧な”アリバイを作り、“完璧な”恋人を演じる。

本来、何気ないことで自然と笑い合える関係性が理想なのではないでしょうか。

“完璧”を追求していては、一緒に居る時間・空間が息苦しくなってしまいます。

けれども、男女は、平凡な恋愛などに興味がないのでしょう。

ひた隠しにしなければならない関係性に興奮し、この上ない“快感”を味わっています。

そして、二度と元に戻れないぐらい、彼・彼女にハマってしまうことに…。

偽りの愛を真実に

ほらほらほら脈々と
まだまだまだいけるよ

出典: まだいけます/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

強い想いで繋がっているかのような男女。

実際のところは、いつ途切れてしまうか分からず、綱渡り状態です。

これは受け入れたくない事実。

かき消すために、“脈々”と呟いているのかもしれません。

“脈々”という言葉は、途切れる気配がなく、どこまでも続く状況を意味する言葉です。

男女は、必死で「自分たちの恋愛が偽りではない」と主張しているのでしょう。

しかしながら、事実を捻じ曲げて正当化することは不可能です。

ゆえに、ごまかしながら取り繕いながら逢わなければなりません。

“ほら”は、相手の気を引こうとする行動だけでなく、でたらめを言う仕草も意味しています。

決して男女の関係が純愛とは言えないことを改めて示しているようです。

どこかで終わりが来ることを分かっていながら続ける恋ほど悲しいものはありません。

それでも、男女は、偽りの愛を信じ、貫こうとしているのでしょう。

彼・彼女と逢っている今この瞬間を一生にしたい!

切なる願いが2行目の“まだ~”に込められているようです。

もっと早く出会っていれば

人知れず抱える不安

ふたりは平行線で
まだまだまだいけます
まだまだ
まだいけますか?

出典: まだいけます/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

決して交錯することのなかった男女の人生

偶然が重なって運命的な出会いを果たし、惹かれ合うようになったのではないでしょうか。

逢う度、普段の生活では味わえない感覚や体験の虜に。

しかし、どちらか一方が所帯を持っていれば、2人で同じ人生を歩む姿など、望めません。

いつまで“平行線”をたどる相手との関係を続けるのだろう。本当に、このままで良いのか。

誰にも相談できない心の闇を歌詞が漂わせています。