I hate myself
straight down to hell
staring at the bottom of heaven is all I can do, everything is screwed
I lost the map to locate a haven

出典: Life is Beautiful/作詞:MAH 作曲:SiM

和訳

俺は自分が大嫌いだ

地獄に向かって真っ逆さまさ

できることといったら天国の底を眺めることだけで、何もかもしくじった

避難所を探すための地図を失くした

【考察】

うまくいかないのは全て自分のせいなのだと信じて疑いません。

一方で、人生を順調に過ごしている人々が周囲には沢山いるわけです。

うまくいかないとき、どうしても自分とは対照的な人々、うまくいっている人々に目が行きます。

少なくとも彼らの存在が目に入らない場所にいられたら、ここまで苦しまずに済んだのかもしれません。

そこに逃げ込みたいのに場所が分からない。ヒントも掴めない。ヒントをくれる人もいない状況です。

地獄の底から天国に向かって叫んだところで、幸せで満ち足りた人々には声が届かないのでしょう。

這い上がることもできず、その場に留まるしかありません。

so I’m crying out but the clock’s still ticking down
like he says “hey, stand up! this life is beautiful”again

出典: Life is Beautiful/作詞:MAH 作曲:SiM

和訳

そして俺が泣き叫んている間にも時計の針は容赦なく進んでいく

「おい、立ち上がれ!この人生は美しいんだ」って誰かが俺に言い聞かせるみたいにさ

【考察】

この歌詞で歌われている誰かの言葉は、一見すると背中を押してくれるポジティブな言葉のように感じます。

しかし今、主人公は這い上がることも助けを呼ぶこともできない地獄の底にいるわけです。

何もできないことは火を見るより明らかなのに、こんな言葉を掛けられても困りますね。

ポジティブなようでいて「早くしないと置いていかれるぞ」と急かす言葉なのだと読み取れます。

その言葉の中に、楽曲タイトルが含まれていますね。「this」という単語が付加されています。

もしも主人公のことを思って掛けた言葉なら「your」を使うのではないでしょうか。

「この人生は美しい」つまり、「誰か」の人生を語っているだけなのだと推測できます。

普通の悩み

主人公がとんでもない怠け者なのかと思いきや、そうではありません。

ごく普通の人間なのに、なぜここまで追い詰められているのでしょうか。

主人公は高望みしすぎ?

I wonder if I was a perfect guy
with a martial spirit and a healthy smile
I’m just an ordinary person
have got no aversion to someone else for heroic reason

出典: Life is Beautiful/作詞:MAH 作曲:SiM

和訳

もしも俺が完璧な奴だったらな

武士道を重んじたり健康的な微笑みができる奴だったらなって思うよ

俺はただの面白みのない人間だ

敵を嫌悪するヒーローみたいな人間じゃない

【考察】

主人公が自分のことをどう思っているのかが歌われています。

無骨で自分の芯を貫くわけでも、人当たりがよいわけでもない。

この歌詞を見る限り、それが普通なのでは?と思ってしまいますね。

我々の多くが、この歌詞に当てはまるのではないでしょうか。

「普通の人」でいることに主人公は納得していないのかもしれません。

もちろん、正義の味方でもありません。

誰かのために自分を犠牲にすることもできず、ただただ自分を責めるだけの毎日を過ごしています。

I lied to my mom yesterday and I lied to my friends today
I can’t help but show myself in the best light not to be betrayed

出典: Life is Beautiful/作詞:MAH 作曲:SiM

【和訳】

昨日は母さんに嘘ついて今日は友だちに嘘ついた

裏切られないように自分の良い面を見せようとするのは仕方がないよね

【考察】

この歌詞もそうです。

誰かに良く見られようとして見栄を張ったり、ちょっとした嘘をついてしまうことは誰にでもあります

友だちはもとより、自分のことを良く知っているはずの家族にさえ嘘を言ってしまう。

これだって珍しいことではありません。

「仕方ない」と歌っていますが、どうも主人公は嘘をついている自分に納得しているようには思えません

自分本位の励まし

“la,la, love“
“all you need is love“
“say you need somebody’s love before you get numb”

出典: Life is Beautiful/作詞:MAH 作曲:SiM

【和訳】

「愛だよ」

「君に必要なものは愛だけなんだ」

「何も感じられなくなる前に、誰かの愛が必要だって言いなよ」

【考察】

ここでもまた、「愛」を信じる人からの言葉が並びます。

もしも主人公の心が完全に冷え切ってしまえば、温かさを感じることができなくなるのだと思っているようです。

そのために必要なのは愛!ということですね。

愛があれば心は冷え切らずに済むのだと、主人公に訴えかけています。

主人公のシラけた表情が想像できますね。

今の自分にできること

I’m going back, going back, back to being myself again
if I could confess everything in this chest
I’d become empty but there is something that should be left
I tried,I’m trying and I’ll try to but there’s no going back
I’m tired of lying

出典: Life is Beautiful/作詞:MAH 作曲:SiM

【和訳】

戻ろうとしているんだ、戻るよ、過去の自分にまた戻るさ

もし俺が胸の内を全て打ち明けられたのなら

俺は空っぽになるけれどきっと何かが残るはずだよ

やってみたよ、やっているさ、これからもやってみるけれど後戻りはしない

嘘をつくのは疲れたんだ

【考察】

何かに向かって歩き始めた頃と今を比較すると、今の彼は虚勢や嘘で満ちています。

それを悪だと判断したからこそ嘘を嘘だと認めたい、等身大の自分でいたいと思っていますし、そうなろうとしています。

変わろう、変わりたいと思っているのです。

主人公が積み重ねた嘘を知った人の中には、主人公から離れていく人もいるかもしれませんね。

もしも全ての人が離れて行ったとしても、主人公は怒りも悲しみもせず受け入れるのでしょう。

そして原点回帰、一からやり直すことができるのです。

そうです、これは原点回帰でありマイナスに後退することではありません