戦いは続く

不気味な手、誠なり
理解などとうに無き、
鬼神討てよ遠くに、
潜む影(かげ)の手引きを

出典: ブリキノダンス/作詞:日向電工 作曲:日向電工

「カウラヴァはまだ全滅していない。

前に立ちはばかるものは誰だろうと打ち倒す。

私たちは鬼のように突き進もう。

そして、最後は総大将ドゥルヨーダナを討ち取ってみせよう。」

パーンダヴァたちはカウラヴァたちを全滅させるまで戦いの手を緩めることはありません。

敵を完全に討ち果たすまで、戦いをやめることはないでしょう。

そして、最後には総大将を打ち取り、完全なる勝利を手にしようとしているのです。

ブリキノダンスもそろそろ終盤

ブリキが描く「マハーバラタ」

さあ皆舞いな、衝動で
サンスクリット求道系
雑多に暮れた日々廃れ、廃れ

出典: ブリキノダンス/作詞:日向電工 作曲:日向電工

「さあ踊れ踊れ、物語に関係なくその場の雰囲気で動こう。

これがブリキである私たちの「マハーバラタ」なのだから。

今まで練習してきたことは忘れよう。」

ブリキたちはもう考えることをやめたようにただ踊るだけになってしまいました。

これまでの展開に関係なく、思うままに踊っているのです。

サプタが意味するもの

さあ剽悍な双眸で
サプタの脳が正統系
真っ赤に塗れた空響け響け

出典: ブリキノダンス/作詞:日向電工 作曲:日向電工

「サプタ」はサンスクリット語で「7」。

7つの脳はパーンダヴァの5人とクリシュナ、バララーマを合わせた数でしょう。

「さあ、ブリキの兵たちよ、その力強い目で

正統な王位継承者を見るのだ。

空は戦いで流れ落ちた血で染まり、鬨の声が響いている。」

ついにパーンダヴァたちはカウラヴァを完全に打ち果たし、王位継承者としての地位を取り戻しました。

それでも、戦いでは多くの人の犠牲者が出てしまったようです。

多くの犠牲を出しながらも、勝利を祝して鬨の声は高く空に響き渡りました。

六人の戦士

嗚呼、六芒と流線型
王族嫌悪は衝動性
ピンチにヒットな祝詞ハバケ・ルドレ
もう、漠然と九番目が狂を急ぐ
巷で噂の、ブリキノダンス

出典: ブリキノダンス/作詞:日向電工 作曲:日向電工

「六芒」芒は剣の刃先を意味します。

つまりパーンダヴァとクリシュナを、剣に例えて表していると思われます。

「流線型」はブリキの人形のフォルムのことです。

「ああ、六人の戦士たちよ。

王族同士の戦いはいつも衝動的だ。

我々は負けはしない。

九番目も、もう壊れてきたようだ。

しかし、気にせず踊ろうではないか。」

キーパーソンであった九番目はもう壊れ始めて正常に動けなくなってきました。

その中でも最後の役割を果たそうと急いでいます。

しかし、王族同士の戦いがようやく終わり勝利を祝っている周りは、もうそんなことを気にしていません。

終劇は近い

王手を盗って遠雷帝
サンスクリット求道系
妄想信者踊る。酷く脆く
もう、漠然と九番目が盲如く
御手々を拝借、ブリキノダンス

出典: ブリキノダンス/作詞:日向電工 作曲:日向電工

「王手」はアルジュナの宿敵「カルナ」を討ったことでしょう。

カルナはカウラヴァの軍の総司令官の一人です。

戦争16日目の時点では全軍を任されますが、アルジュナに敗れます。

つまり「遠雷帝」はアルジュナ。

ではなぜ遠雷帝かというと、アルジュナは雷を司る神インドラとの間にできた子どもだからです。

「アルジュナはとうとうカルナを討った。

ブリキたちの「マハーバラタ」もクライマックスだ。

ブリキ人形の妄想は酷く、中身がない。

もう九番目はゼンマイが切れてきたようだ。

しかし、劇は続いていく、さあ一緒にブリキノダンスを踊ろう」

九番目はすでに壊れかけて、どうすることもできない状態となっています。

「マハーバラタ」の物語は、思いがけない展開もありつつもなんとか終幕を迎えました。

しかし、ブリキたちの踊りはまだまだ続いていきます。

それは、これからまた新しい物語が始まっていくことを表しているのでしょう。

九番目の意味