『平成』が終わる…本当に終わるんだ
アルバムタイトルにも使われた『平成』
折坂悠太さんが歌った『平成』。まず基本情報としてリリース日を調べました。
2018年10月3日、アルバム『平成』をリリースする。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/折坂悠太
『平成』は折坂悠太さんの2ndアルバムのタイトルにもなっています。
全11曲の中に今回の楽曲『平成』が収録されました。
リリースは2018年の秋。なぜこの時期に『平成』が彼の心をとらえたのでしょうか。
ゴールが視野に入ってきた
2017年12月1日に開催された皇室会議と同月8日の閣議を経て、2019年(平成31年)4月30日をもって天皇明仁が退位することが正式に決定された。皇位の継承を受けて、2019年5月1日に元号が改められる見込みとなった。一方で、新元号の発表は改元1か月前の4月1日になることが決まった。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/平成
平成が終わるのでは?という情報は2017年には真実味を帯びてきます。
でもその時はまだ先の話と、実感の無いニュースと受け取った人も多かったはず。
そして2018年の秋には、平成が終わるまでに半年しかないことに気付き始めたのです。
時代を敏感に感じ取る折坂悠太さんがその時に『平成』をリリースしたのも納得できますね。
折坂悠太さんが確実に終わることを思い知って歌った『平成』。
お待たせしました。この後は『平成』の歌詞の考察に入ります。
蓄積していった疲労感
折坂悠太さんは11069日続いた『平成』を119文字で綴りました。
『平成』の文字を見ると出てくるのは「疲れ」。まずはこの重苦しい言葉で時代を描きます。
人生と重ね合わせて
平成、疲れてた それはとても
出典: 平成/作詞:折坂悠太 作曲:折坂悠太
元号なら平成〇年など平成の後に続くのは数字です。
折坂悠太さんの『平成』の後にあるものは「、」読点。
本来なら「、」読点の後には文章が続きます。でも一旦ここで途切れる歌詞。
「、」の後には平成にあったここには書ききれない「事件・事故・災害」があるのでしょう。
そして折坂悠太さん自身の人生もここに見えてきます。
平成元年生まれの折坂悠太さん。
自分の望みだけでは決められない年代と時代が重なりました。
どんなに頑張っても思い通りにならないことが続いた『平成』だったのです。
身体だけではなく心にも疲れが溜まっていきました。
でもここでは疲労を抱えていたことを過去形で表しています。
今も疲れているのではなく、行き場がなかった疲労感を思い出していることが読み取れますね。
空の色が変わって
どこにも行けず止まれずに
夕焼けよ 通りを履え 赤くあれ
出典: 平成/作詞:折坂悠太 作曲:折坂悠太