インディーズ時代のアルバムにして未だに語り継がれる名盤

短期間の強行スケジュールで制作された

【BUMP OF CHICKEN/Ever lasting lie】歌詞解説!嘘をついたのは誰?の画像

当時メンバーの年齢が20〜21歳だったBUMP OF CHICKENが発表した「THE LIVING DEAD」

インディーズレーベルであるハイラインレコーズから発売された通算2枚目のアルバムです。

1枚目のアルバム「FLAME VEIN」の発売から丁度1年。かなりのハイペースですね。

実はインディーズ時代のBUMP OF CHICKEN強行軍と呼べるようなレコーディング形態で有名です。

1st「FLAME VEIN」のレコーディング期間は特に短く、その期間は何と3日間

インディーズ最後のアルバムとなった今作のレコーディング期間も1週間と、集中的に行われました。

宅録が発達した昨今では短期間でのレコーディングはしやすくなりましたが、当時としては異例です。

レコーディングはメロディも歌詞もない状態でオケだけを先行して録音

その後録音したデモ音源を聴きながらボーカル藤原がメロディと歌詞を付けて行ったそうです。

こういった多忙な状況に加え、様々な悩みを抱えていた当時は彼らにとっての暗黒期だったとのこと。

「その頃の俺たちのそのまま」を表す言葉として「THE LIVING DEAD」というタイトルになったそうです。

「生きる屍」・・・。当時の彼らが如何に疲れ果てていたかがよくわかるタイトルですね。

メジャーデビュー後にリマスタリングされて再発

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実はインディーズ時代のアルバムは一度絶版になっています

なので原盤の「THE LIVING DEAD」は手に入れることが困難になっています。

しかし、トイズファクトリー移籍後の2004年、リマスタリングの上再発盤が発売されています。

現在店頭に並んでいるのはこちらです。

収録内容も源盤と相違ないため、安心して購入できますね。

内容は全編物語形式

さて、この「THE LIVING DEAD」、物語形式のコンセプトアルバムとなっています。

「Opening」というタイトルの曲から始まる本アルバム。

この曲では、泣いている「君」の前にある人物が現れ、「いくつかの物語」を聴かせます。

その物語がアルバムに収録されている各曲というわけです。

まるで短編集の様な構成となっており、「聴く小説」の様な感覚で楽しむことができます。

ここで登場するある人物ですが、ボーカル藤原曰く「ラフ・メイカー」であるとのこと。

「ラフ・メイカー」とはBUMP OF CHICKENの曲の1つ。

人々に笑顔を与える使命の元、どこからか現れる謎の人物「ラフ・メイカー」について歌われています。

曲中では笑顔を何としても届ける為に、泣き顔で鉄パイプを使って窓ガラスを破壊。

泣いている登場人物に鏡を差し出し「今の君の顔笑えるぞ」と言ってくるコミカルな人物です。

「THE LIVING DEAD」ではどこか礼儀正しく、落ち着いているように思えます。

成長して大人になったのでしょうか。

こういった世界のリンクが楽しめるのも、初期BUMP OF CHICKENの特徴です。

そんな「ラフ・メイカー」が語る物語の1つがEver lasting lie」

長い年月を感じさせる8分以上に及ぶ大作となっています。

アコースティックバージョンは2008年まで激レアだった!

期間限定で生産されたシングルのカップリング曲

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Ever lasting lie」にはアコースティックバージョンが存在します。

「THE LIVING DEAD」の再発に合わせ先行で発売されたシングル「アルエ」に収録されています。

このシングル2ヶ月限定で生産されたため数が少なく、再生産等も行われていない激レア盤となっています。

そんな「アルエ」のカップリング曲だった「Ever lasting lie」のアコースティックバージョン。

当然シングル「アルエ」を購入した一部ファンしか聴くことはできず、伝説クラスのレア曲となっていました。

しかしその後、2008年にBUMP OF CHICKEN初のカップリング集「present from you」に収録

シングル「アルエ」を購入できなかったファンもアコースティックバージョンが聴けるようになりました。

ファンからすれば垂涎(すいぜん)のプレゼントであったことは間違い無いでしょう。

この「Ever lasting lie」にはアコースティックバージョンは原曲よりも長尺。

現状BUMP OF CHICKEN最長の曲として語り継がれています。

ここからは「Ever lasting lie」の歌詞について見ていきましょう。

運命に争う2人の男女の物語

夢を叶える為に砂を掘る男

砂の海で 錆びたシャベルを持って
まるで闘う様に 夢を掘る人
赤く燃える太陽に 身を焼かれても
必死で 這い上がろうとする

出典: Ever lasting lie/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

1人の男がシャベルを使って砂を掘っています。

照りつける太陽など御構い無し、無我夢中で掘り続けます。

彼は何の為にそんなことをしているのでしょうか。

愛する人の 命に値がついた
そこら中に頭を下げても 足りなくて
「石油でも掘る以外 無いんじゃないの?」って
皮肉を 本気にして飛び出した

出典: Ever lasting lie/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央