本音を隠して何気ないメールを送るときには、大抵相手の様子をうかがっています。

どんな気分にあるのか、何をしているのか探っているのです。

このリリックでは、自分の気持ちを隠しているとあります。

本当は自分の気持ちを表したいけれど、隠しているということでしょう。

相手を「好き」という気持ちがあって、それを伝えたいのが本音にあるのです。

しかし、告白はできない。

主人公は前述したように、相手との関係性が悪化するかもしれない不安を感じているからです。

相手のことを好きで、胸が辛くなるほどの思いを持っている。

でも、関係が悪くなるくらいなら告白せずにいよう。

そんな本音を隠して何気ないメールを送っているのです。

届かない理由は

リリックに登場する主人公は、好きな相手にメールをします。

自分が相手に好意を寄せていることを隠して何気ないメールを送ってるのです。

本音を隠している

つまり主人公は、メールの相手に対し「あなたが好き」という気持ちを表現していません。

むしろ逆で、隠し続けています。

そしてそんな状況を理解もしているようです。

本音を隠し続けているのでは、相手に自分の思いは伝わらないだろう。

本当は今すぐ会いたいと思うほど、あなたを思っている。

それだけ好きなのだけど、その思いを伝えられない。

自分は辛い願いを解消できる強さがない

ここでは、そんな自分に対しての表現が為されているようです。

いつまでも友達?

そばにいたい笑っていたい

このままそばにいたくて
このまま笑いあってたくて
そう いつまでも my friend

出典: 会いたい/作詞:Deadman 作曲:Dios/シグナルP

例え、このままずっと友達のままでもいい。

私とあなたがいつまでもそばにいられるのなら、笑い合っていられるのなら。

告白して、もし、その思いが拒絶されたならもう友達でいられない。

例え友達でいてくれるといってくれたとしても。

そんな風に考えているのでしょう。

告白が失敗して、ギクシャクしてしまったら、もう友達ではいられなくなるだろう。

一緒にいることも、笑い合うこともできなくなるかもしれないと主人公は考えています。

そんなリスクを冒すくらいならば、今のままでいい。

自分の思いを相手に告げることは、成功の可能性が少ない。

リスクの方が高いと考えているのでしょう。

例え友達のままであったとしても、主人公はこのままでいるべきと考えているようです。

離れたくないから

恋というのは難しいものです。

恋が成就して、相手と恋人同士になったとしても、それが続く保証はありません。

恋人という関係は大変脆いものです。

距離や関係性、また相手への疑念など、その関係を壊す存在は沢山あります。

恋人でいられなくなった間柄が友達に戻れる保証もありません。

それだけ恋というものは脆く、壊れやすい繊細なものです。

この主人公は、そんな恋の弱さは理解できているようです。

自分が好きになった相手が、自分を好きになるという都合の良いことはないだろう。

好きになってしまった相手は友達。

関係性を壊したくないから、私はこのまま自分の思いを隠しておこう。

この辛いほどの思いを叶えるよりも、あなたのそばにいる方を選びたい。

たとえそれが友達という関係のままでも、あなたと離れたくない

そんな切ない胸の内が表現されています。

「会いたい」の世界観とは

眠れない夜 何度超えても
「会いたい」この気持ち
まだ消えてないよ

出典: 会いたい/作詞:Deadman 作曲:Dios/シグナルP

あの日のように笑えないよと言われたくないから告白しない、メールに本音を隠している主人公。

届かないこの気持ちを抱えて友達として接するのは辛いことでしょう。

それでも、今はこの本音を告げられない

これは、慣れない心を抱えている様子が描かれているといえます。

恋というものがどんな形をしているのか、まだ分からない。

そして、それを叶えるのにはどうするべきか、分からない。

恋する相手の気持ちも分からなければ、その思いを超えられずにもいます。

これだけ分からないことだらけなのに、自分は相手に惹かれている。

それも、願うほどに辛いと感じるほどです。

酸いも甘いも嚙み分ける力を得る前、まだその手解きも理解できない心が受け取れます。

まだ大人になれない、思春期の恋

それがこの「会いたい」の世界観ではないでしょうか。

まとめ

GUMI同様、魅力的なボカロは多く存在しています。

ボカロだけでなくクリエイターの技術力の高さもその魅力の一つです。

そんな魅力的な作品について、こちらの記事でもご紹介しています。

「うーぱぱ!」の独特なフレーズがキャッチーで印象的なラマーズPの「愛の詩」。初音ミクを用いて制作されたこの楽曲はニコニコ動画を経て、近年ではTikTok使用曲としても人気を集めています。ポップなこの歌の歌詞の意味を紐解くと、初音ミクのクリエイターへの愛がたっぷりと詰まっていました。

ボカロってなに?そう思っている方にもオススメの楽曲があります。

歌い手としての魅力も併せて、こちらの記事でご確認ください。