“さようなら みんな 僕は行かなければ
君たちを残して真実に向き合わなければ
ママ…(まあとにかく風は吹くよ)
死にたくないよ 時々願ってしまうんだ
僕は初めから生まれていなければって”
主人公には死が待ち受けていました。
罪を受け止めなければいけないと分かっていながらも、またもや母親に弱音を吐いています。
そもそも生まれなければ、罪も犯さず、こんな苦痛も味わうことがなかったのに。
そんな言ってもしょうがないことを言ってしまう始末。
そして、ここでも、「風」が登場しました。
こんな主人公の死の間際でも変わらずに吹く「風」。
人間の力ではどうにもできない「時間の流れ」や「運命」といったものを象徴しているのでしょうか。
オペラパートへ
小さな男が登場
I see a little silhouetto of a man,
Scaramouche,scaramouche will you do the fandango-
Thunderbolt and lightning-very very frightening me-
出典: Bohemian Rhapsody/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury
“小さな男のシルエットを見た
スカラムーシュ、スカラムーシュ ファンダンゴを踊ってくれないか
雷鳴と稲妻 僕はとても怖いよ”
MVではここで道化のような姿をした男の影が登場します。
スカラムーシュとはイタリアの即興喜劇で道化役として登場するキャラクターの名前。
ファンダンゴはフラメンコなどで踊られるダンスの一種です。
スペインのジプシーが発展させたと言われるフラメンコ。
ボヘミアンという単語から連想したのでしょうか。
激しい雷鳴と閃光は恐ろしく、主人公は縮みあがってしまいます。
道化の次に現れたのは一体誰なのでしょうか。
雷と共に登場する様子はギリシャ神話の神ゼウスを連想させますね。
イタリア人の名前が登場
Galileo,galileo,
Galileo galileo
Galileo figaro-magnifico-
出典: Bohemian Rhapsody/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury
“ガリレオ、ガリレオ
ガリレオ、ガリレオ
ガリレオ フィガロ 偉大な人よ”
映画では「ガリレオって誰だよ!」とテイラーが叫んでいた個所ですね(笑)
ガリレオもフィガロもイタリア人の名前です。
かの有名な物理学者「ガリレオ・ガリレイ」と、オペラ「フィガロの結婚」の登場人物を指していると考えられます。
前述のスカラムーシュと共にイタリアを意識しているのは、そもそもオペラの本場がイタリアだからでしょう。
そして始まる裁判
But Im just a poor boy and nobody loves me-
Hes just a poor boy from a poor family-
Spare him his life from this monstrosity-
Easy come easy go-,will you let me go-
出典: Bohemian Rhapsody/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury
“でも僕はただの可哀想な男の子で誰からも愛されていない
貧しい家族から生まれた可哀想な男の子だ
「醜さに免じて彼の命を見逃してやろう」
そう言って気ままに僕を解放しようとする”
ガリレオとフィガロが「エンマ大王」のように、主人公を地獄に落とすかどうか裁判しているのかも?
主人公は2人の前で自分がいかに可哀想な境遇であるかを語ります。
彼の境遇に同情したのか、2人はあっさりと彼を解放しようとします。
「Bismillah」の意味とは?
Bismillah! no-,we will not let you go-let him go-
Bismillah! we will not let you go-let him go
Bismillah! we will not let you go-let me go
Will not let you go-let me go
Will not let you go let me go
No,no,no,no,no,no,no-
出典: Bohemian Rhapsody/作詞:Freddie Mercury 作曲:Freddie Mercury
“「神に誓って!ダメだ、私達はお前を解放しない」 「彼を解放してあげなよ」
「神に誓って!ダメだ、私達はお前を解放しない」 「彼を解放してあげなよ」
「神に誓って!ダメだ、私達はお前を解放しない」 「彼を解放してあげなよ」
「お前を行かせはしない」僕を解放して
「お前を行かせはしない」僕を解放して
「ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ」”
どこからかガリレオとフィガロに異を唱える者が現れました。
「Bismillah」はイスラム教において「神に誓って」という意味の言葉です。
このイスラム教徒は主人公に罰を与えようとする厳しい存在のようです。