暗闇を照らしてくれる人
世界から光が失われてしまったように感じる時も、傍に寄り添って「大丈夫」と言ってくれる存在。
それがL'Arc~en~Cielの『SHINE』という曲です。
人生というものは良い出来事と悪い出来事の両方を繰り返して綴られていきます。
しかし時々、悪い出来事ばかりが続けざまに起こってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、もう一生良いことなんてないのではないかとさえ思えてきます。
ネガティブな思考から抜け出せず、日を追うごとに気持ちが沈んでいく。
暗い顔をしていては、余計に何もかも上手くいかなくなってしまいます。
そうして完全に希望を見失った時、誰かが手を差し伸べてくれたなら...。
自分ではどうしようもできない暗闇を照らしてくれる人が、きっと誰にでもいるはずです。
差し伸べられた手を振り払わないで
自分が傷付いている時は、自分も誰かを傷付けてしまいがちです。
優しさや思いやりというものは、きっと他人から与えられて初めて誰かに返せるものなのでしょう。
荒んでしまった心のままでは、荒んだ景色しか見られません。
目の前に光が射す時があるとすれば、それは誰かが救いの手を差し伸べてくれた時。
その手だけは振り払わず、情けなくてもいいから素直に縋りたいものです。
嫌われても「君」を待つ
心の奥繋げたら信じてもらえるのに
仕方ないさ目覚めるまで僕を 嫌ってもいいよ
出典: SHINE/作詞:hyde 作曲:tetsu
悪い出来事が続く時というのは、冷静さや優しさを失ってしまっているものです。
何か失敗するたび過剰に自分を責めたり、他人の思いやりに気付けなかったり...。
まさに暗闇の中にいる状態なのでしょう。
そんな時もこの曲の主人公は傍にいると言ってくれています。
挫折を繰り返し精神的な余裕をなくしている「君」に、八つ当たりをされることもあったかもしれません。
しかし主人公は、本当の「君」のことをよく理解してくれています。
いま主人公の気持ちが伝わらないのは、「君」が自分を見失っている最中だから。
「君」が自分を取り戻すまで待っている。
そういった意味で主人公は「嫌ってもいい」と言っているのでしょう。
思わず涙が零れそうになるほど優しい言葉ですね。
優しさが「君」の魅力
いま見えなくても無くさないでいて
その優しさは無駄じゃない
出典: SHINE/作詞:hyde 作曲:tetsu
主人公が「無くさないで」と訴えているもの。
それはもちろん本当の自分です。
自分のことが分からなくなってしまっても、自暴自棄になってほしくない。
どうでもいいなんて思ってしまったら、きっと「君」は「君」でなくなってしまいます。
もしかしたら本当の「君」は、主人公以上に優しい性格なのかもしれません。
その優しさを利用され理不尽に傷付けられてきたのだとすれば、「君」が暗闇に閉じこもってしまったのも納得できます。
それでも主人公が「君」に優しいままでいてほしいと願うのは、優しさこそが人の価値であると知っているから。
裏切られ、傷付けられたとしても、「君」の優しさは「君」の魅力そのものです。
この曲の主人公は過去に、「君」の優しさに救われたことがあったのでしょう。
だからこんなにも「君」を救いたいと強く願っているのかもしれませんね。
立ちあがる力をくれる言葉
現実の厳しさに打ちのめされた時、自分をもう一度立ちあがらせてくれるのは誰かの言葉ではないでしょうか。
傷だらけになっても、耳を澄ませばきっと優しい声が聞こえてくるはず。
自分のために誰かがかけてくれた言葉というのは、時に計り知れないほどのパワーを秘めているものです。
努力が報われる日
風に乗って浮かびここじゃない何処かへ
海を越え 時を越え きっと咲くだろう
出典: SHINE/作詞:hyde 作曲:tetsu
努力はすぐに報われるものではありません。
けれど頑張り続けていれば、きっといつか結果を残せる日がくるでしょう。
「君」の努力が報われる日。それをここの歌詞では「咲く」と表現しています。
才能の開花というものは、いつどこで起こるか分からないもの。
「君」の中で大切に育ててきた蕾が花開くその瞬間を、主人公はいっしょに待っていてくれるようです。
それは「君」の可能性を主人公が誰よりも信じているからでしょう。
自分のことを自分以上に想ってくれる人がいる。
こんなにも心強いことはありませんね。