自ら戦い、つかんだ勝利

神の声を辿りながら この国を解放に導いた少女
小さな胸に十字を切り
血で血を洗う最前線 涙も剣で拭いて
勝利と栄光をもたらした このZ-HARD

出典: -救世主 メシア-/作詞:yasu 作曲:yasu

先ほどに続き、戦争の様子が描かれている部分です。

有名なオルレアン包囲戦は1428年に始まって以来、ずっとイングランド優勢のまま進行していました。

そんな最悪な戦況の中、先ほども紹介した通り1429年にジャンヌダルクが戦地へ飛び込んだのです。

ジャンヌダルク本人は負傷しながらも最前線に立ち続け、兵たちを励まし続けたと語り継がれています。

その成果もあり、ジャンヌダルクは10日もしないうちに、イングランドの態勢を崩しました。

彼女を待ち受ける厳しい現実

裏切る国王たち

争いは終幕迎え 手の平返した支配者
利用価値無くなれば消すのは現代も同じ

出典: -救世主 メシア-/作詞:yasu 作曲:yasu

それでも終わらない戦争。すぐに新たな戦いの地へと赴いたジャンヌダルク。

そこで彼女は、敵軍に捕まってしまいました。

彼女は捕虜として、なんと敵であるイングランド側に引き渡されてしまったのです。

救世主を失ったフランス国王は、本来であれば彼女の解放に向けて行動を起こすはずでしょう。

しかし情けない国王はどうしてよいかわからず、結局彼女を見捨てることにしたのです。

どんなにすごい救世主であっても、敵の手に落ちるようなら用はない。そんな風にも感じ取れます。

2行目にある通り、利用するだけ利用した後は見捨てるという横暴な行為は、この時代にもあったのですね。

処刑される救世主

かつては聖女と讃えられ 今じゃ魔女扱いの少女が一人
神と詐称した罪に問われ 処刑場に向かい
誓いを祈りに変えて 神に問う…
「何を正義とすればいいの?」

出典: -救世主 メシア-/作詞:yasu 作曲:yasu

教会に引き渡されたジャンヌダルクは、そこにいた司教によって裁かれることとなりました。

もちろんジャンヌダルクは自身の潔白を淡々と、かつ明確な根拠を持って訴え続けます。

しかし司教は、まったく聞く耳を持っていませんでした。

さらに酷いことに、彼女がやったはずもない不合理な罪などをなすりつけ、死刑を宣告したのです。

「神の声を聞いた」としてフランスの救世主となったジャンヌダルク。

まだ幼かった少女は最終的に、神を信じる者たちから裏切られ、その生涯を終えることになりました。

1431年。ジャンヌダルクは広場に連れていかれ、民衆の前で火あぶりにされてしまったのです。

どこまでも自分の使命にまっすぐだった彼女はきっと、最期の時まで神を信じていたに違いありません。

そして歌詞4行目にある通り、正義とは何か、最後まで考え続けたのでしょう。

それでも報われることのない、やりきれなさが痛いほど伝わってきますね。

伝説の少女

救世主…彼女は奇跡とされて
救世主…我が身も血に染めながら
救世主…争いに終止符を打つ…。
MESIA Her name is Jeanne d’ Arc……

出典: -救世主 メシア-/作詞:yasu 作曲:yasu

神の声を聞いたとされたジャンヌダルクはまさに、この時代の人々にとって希望でした。

もちろん急に「神の声が…」などと言い始めた彼女を、全員が最初から信じていたわけではありません。

そうだったとしても、絶望の淵に追いやられていた人々にとっては、唯一すがることのできる光だったのです。

幼い少女は自ら戦地に赴き、前線でその身を傷つけながらも、フランスのために戦い抜きました。

まさにフランスにとっての救世主。数百年経ったいまでも語り継がれる、まさに伝説の少女なのです。

救世主の悲しき運命

Janne Da Arc【-救世主 メシア-】歌詞の意味を考察!モチーフはあの英雄?正義が揺らぐ…の画像

かつてフランスを救ったにもかかわらず、最後には裏切られ殺されたジャンヌダルク。

若くして自身の使命を理解し、過酷な現実に立ち向かった強い女性です。

彼女の生き様に、勇気をもらった人も多いのではないでしょうか。

今回はそんな彼女の生涯を辿りながら、歌詞を読み解いてきました。