「好き」と言えるまで

楽曲ハッピーエンド」は、女性目線から見た恋の歌だと思われます。

しかも、告白前夜のようです。

主人公は「あなた」に好意を抱いているようですが、まだ想いを伝えられていません。

「あなた」のことを、どれほどに好きなのか。

これまで秘めてきた想いの深さ。

実際に想いを伝える前に、それらを自分で確かめているかのようです。

秘められた心は、曲の終わりにはどこへ向かっていくのでしょうか?

丁寧に追っていきましょう。

言葉にするきっかけ

失敗つづき

せっかくのケーキも失敗作
夢のサプライズも上手くいかない
あなたの声が好きです
言えないけど

出典: ハッピーエンド/作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁

主人公は、告白のために特別なシチュエーションを演出しようとしたのでしょうか。

確かに、告白には勇気と思い切りが必要です。

いつもと違う特別を作り出すことは、自分の勇気を高めることにもなるのでしょう。

しかし、そのために作ろうとしたケーキは上手くできなかったようです。

気持ちを乗せていたであろうことは容易に想像できます。

告白しようとする勇気までしぼんでしまったのでしょうか。

気弱になっていることがうかがえます。

「好き」が溢れだす

それはそれは笑った顔が素敵
照れると髪触る癖も知ってるよ
優しいとこも好きです
言えないけど

出典: ハッピーエンド/作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁

1つのきっかけから、「あなた」の好きなところが次々に思い浮かんでいます。

想いを寄せる相手のことは、意図せず目で追ってしまうもの。

相手の細かいクセにも気がついてしまうくらいです。

それでも、まだ告白の勇気は戻ってきません。

主人公はこのまま、相手を思い続けているだけなのでしょうか。

曇り空に祈る

眠れない空にあなたへの言葉
明日は勇気を出そうかな
だからどうか どうか

出典: ハッピーエンド/作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁

主人公は、まず空に向かって告白の文句を思い浮かべているようです。

告白本番は1度きりですから、入念に言葉を考えているのでしょうか。

明日こそは、と考えているようですが、まだ固い決意には至っていません。

「~かな」というふんわりした語尾からそれが分かります。

この2人は、それなりの時間を一緒に過ごすことが多いようです。

告白のチャンスはこれまでにもあったかもしれません。

あとは主人公の勇気だけです。

告白の言葉を考えて、上手くいくよう祈りを捧げています。

「ハッピーエンド」を願って

好きで好きで大好きなの
何千もの星の下で巡り合う軌跡

出典: ハッピーエンド/作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁

ここでようやく、主人公の想いがはっきりと溢れだします。

宇宙の星の数に思いを馳せるほど、相手に運命を感じているのです。

「運命」という言葉は簡単ですが、その根拠まで探ると大きな気分になります。

日本に限っても、人口は1億人以上。

その中で、話をするくらい近い距離にいて、一緒に時間を過ごす。

確率を考えたら圧倒されてしまいます。

主人公も似たように考え、「あなた」に出会えた貴重さを思っているのでしょうか。