ごめん 一人置いて行って…
たったひとつ気がかりだよ
だからそっと微笑んで
僕を許して欲しい

出典: 僕がいる場所/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

 側にいることに決めたとはいえ、やはり残してきた「君」のことが気にかかる「僕」。一人にして「ごめん」と、謝ります。

 残された「君」にできることは、「僕」を許すことです。

しかしここは、ただ「僕」が僕自身のことを許してほしいと言っているわけではありません。

「君」が「僕」に置いていかれたことを許すとはつまり、「これからは一人で生きていく」という現実を受け止め、前を向くということです。

現世での再会と未来への希望を託す<後半>

未来で再び巡り会う

ここからは、後半の内容を説明します。前半が「別れてしまった事実」に重点を置いていました。

それに比べ、後半は「再会」や「生まれ変わり」がキーワードとなります。

新しい命として生まれ変わり「君」と再び出会うことを望む「僕」の心情や、そして「君」を見守る優しい眼差しを感じる内容となっています。

もしも生まれ変わったら(絶対)
君にもう一度逢いたい(神様)
でも赤ちゃんの
僕を君は見て
気づいてくれるか
僕だってわかるかな

出典: 僕がいる場所/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

 「僕がいる場所」のユニークなところは、この部分に良く表現されています。

なぜならここでは「僕」は赤ちゃんとなってこの世に再び産まれてきたいと言っているからです。

もし「君」が女性だったら、「僕」は今度「君」の子供として生まれるかもしれません。

ここでは、一気に「僕」の立場が「死」から「生」へと移っており、2度目の転換を迎えています。

だから決めたんだ 僕のその証拠
君の手を握り 二回ウィンクする
ぐずっていたって眠ってても
キスをしてよ

出典: 僕がいる場所/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

「僕」が赤ちゃんとして生まれてきたら、「手を握り」「ウィンク」して合図すると言っています。

これは、「君」が未来で「僕」と再会できることへの希望を抱ける根拠にもなっています。

待っていれば、いつか赤ちゃんとして「僕」と再会できるかも知れないのです。

 この部分で「僕」は赤ちゃんとして生まれて再び「君」と会うことを約束し、未来へ希望を託しています。

離別への覚悟

人は永遠じゃない
誰も去る日が来る
だけど愛だけはずっと残る
僕がいなくなっても
まわりを見回せば
ちゃんと君の近くにいる
永遠に見守ってる

出典: 僕がいる場所/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

 この歌詞は、死という離別への覚悟と、愛は永遠に残ることを語りかけています。

例えば「人は永遠じゃない」という部分は、人生にはいつか必ず離別が訪れることを言っています。

これは、別れへの絶望ではなくむしろ「必ず来る運命への覚悟を決める」ように聞こえます。

悲しいからといつまでも悲嘆に暮れているわけにはいきません。

「君」にいずれは前を向いて明るい気持ちで進んで欲しいと、「僕」は繰り返し語ります。

特に「見守っている」ことを伝える最後の一行は 、残された側に勇気をくれる一言です。

だからそう君も 約束して欲しい
一週間くらい泣いて暮らしたら
深呼吸をして空を見上げ
笑顔を見せて

出典: 僕がいる場所/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦

愛がいつまでも残ることや、前向きな気持ちへの切り替えを促す部分です。

直前の歌詞でも「愛」が「ずっと残る」と言ったり、ここで一週間泣いたら笑顔を見せて、と言っています。

このことから「僕」は「君」に対して「僕が離れて行ってしまう」ことよりも「愛はいつまでも残る」ことの方に心を向けていることがわかります。

気持ちを切り替えて笑顔になって欲しいと伝えているのです。

一週間くらい、泣いてもいいのです。悲しみを抑えることはありません。

ただ、時間とともに立ち直ってほしい、というメッセージが込められています。

冷静に運命を見つめる「諦め」

⑩君のことを考えた
僕が死んだ日のことを…
ずっとそばにいたいけど
別れはやって来る

出典: http://j-lyric.net/artist/a0560d3/l03444b.html