ドラマGTOの主題歌
反町隆史の代表作『GTO』
1998年に放送されたテレビドラマ『GTO』をご存知でしょうか?
『GTO』は反町隆史扮する元暴走族教師が、生徒達の様々な問題を解決していく学園ドラマです。
何事にも持ち前の熱さとパワーで立ち向かっていく姿は、反町隆史のイメージにぴったりでした。
『POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~』(以下POISON)は『GTO』の主題歌として使用されました。
反町隆史自ら作詞を手がけた『POISON』の歌詞は、主人公『鬼塚英吉』の破天荒なスタイルにも重なり合います。
絶対に自分を貫き通す意志の強さゆえに起きる、周囲との軋轢。
そんな不器用で一本気な男の気持ちをうまく表現したのが『POISON』なのです。
一度聴いたら忘れられないイントロのギターリフ。
力強いバンドサウンドにストレートな歌詞を乗せた楽曲には、反町隆史の男らしい歌声がマッチしています。
反町隆史はヴォーカリストとして、決して器用なタイプではありません。
しかし不器用ながらもその人間性が、歌や歌詞にしっかりと反映されていることに強い魅力を感じます。
そんな飾らない真っ直ぐさが、多くのファンを惹き付けてきたのかもしれません。
作詞家としての反町隆史
真っ直ぐな想いをそのまま言葉にしていく
作詞家としての反町隆史は飾り気のない言葉を使って、シンプルに歌詞を紡いでいきます。
胸の中にある熱い想いをそのまま文章にしたような、真っ直ぐな言葉をメロディーに乗せていくのです。
難しい言葉を使うでもなく、奇をてらうでもなく。
歌詞の表面的な仕上がりよりも、想いが伝わるかどうか?を重視して書いているように思えてきます。
こんなにも真っ直ぐな歌詞を書くのは、実はとても難しいのではないかと思うのです。
シンプルな言葉の中に、本当に真っ直ぐな思いを持っていなければ書けない、厚みを感じさせてくれます。
そんな真っ直ぐで熱くてぶ厚い、『POISON』の世界を一緒にのぞいてみましょう。
POISONの歌詞
逆境の中で自分自身を信じる力
いつまでも信じていたい
最後まで思い続けたい
自分は生きる意味があるはずと
出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎
自分を強く鼓舞するような力強い言葉が並びます。
『いたい』『続けたい』という、願望を表現する言葉が続くのが印象的です。
この表現によって、主人公が今にも自分を信じられなくなりそうな、切迫した状況にいることを表しています。
主人公自身が信じることの難しさを知っているという点が、この冒頭部分のポイントです。
逆境の中で自分の価値を信じ続けられるかどうか?
自分自身に問うように歌い始めるのです。
冷めた目で笑いかけてる
魂を侵された奴
出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎
自分の道を突き進もうとする中で出会う、軽蔑や嘲笑について描かれています。
人と違う道を行く時や、自分の意見を貫こうとする時、周囲は時に冷たく嘲笑的になったりするものです。
涙を流す痛みはあるのかい?
出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎
この一節は、嘲笑的な世間に対する主人公の哀れみを感じさせます。
一生懸命に生きる自分に対して浴びせかけられる嘲笑に、哀れみを持って対峙しているのです。
主人公は自分を傷つける人間に対してただ否定するような事はしません。
『痛みを知っているのかい?』と、ただ純粋に疑問を持ってしまうのです。
主人公の純粋で優しい性格も顔を覗かせます。