言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON
俺は俺をだますことなく生きてゆく OH OH

出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎

自分を貫き通す事によって、周囲との軋轢を生み出していく。

どんなに自分が正しくても、おかしな世の中に居れば自分は『』という存在になってしまう。

どこか皮肉っぽく、世の中に対する諦めの感情も見出せます。

主人公はあえて自分に『』という悪のレッテルを貼ってしまうのです。

そうすることで、周囲のざわめきを受け入れようと必死でもがいているのかもしれません。

それと同時に俯瞰で社会全体を見て、自分の方が『』なんだと冷静に見つめている姿も垣間見えます。

それでも『どうせ俺なんか。』という投げやりな感じは微塵も見せません

自分と周りとの状況を受け入れた上で、『自分は自分の道を進んでいくんだ。』

そんな譲らない強い力を感じさせてくれます。

まっすぐ向きあう現実に
誇りを持つために
戦う事も必要なのさ

出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎

逃げているだけじゃダメだ。時にはぶつかり合わなければいけないんだ。』

そんな力のこもった声が聞こえてきそうです。

自分を貫くためには、たくさんの犠牲を払う必要があります。

『時には自分を投げ出す覚悟も必要なんだ』と、主人公は訴えかけているのです。

人によっては『そこまで自分を貫いて何か意味があるの?』と疑問を持つかもしれません。

人間は実は知らないうちに周りの意見に流されて、楽なほうへ楽なほうへと向かってしまいます。

戦うことは怖いし面倒だし流されたほうが人生はうまくいくんだ。』

我々は大人になるにつれてそう考えるようになります。

しかし実はそうやって流される度に、自尊心誇りといったものを失っているのです。

主人公はそのことに警鐘を鳴らしています。

回想シーン

語り合った記憶

階段にすわりこんで
終らない夢の話を
夜が明けるまで語り続けてた

出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎

過去を回想する場面です。

青春時代に将来のことを止め処なく語らった記憶は、誰もがひとつは持っているものかもしれません。

思春期の心には、突拍子もないような大きな夢も、リアルにイメージできるものです。

まだ見ぬ自分の未来を描いて、ただただ希望に胸を膨らませている。

そんな誰の心にもあったはずの、熱いエネルギーを呼び起こすようなシーンです。

さりげなく季節は変わり
無意識に視線を落とし
流される事に慣れてゆくのか

出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎

そんな熱い想いも歳を重ね、社会に揉まれるなかで少しずつ弱まっていきます。

現実という大きな力の中で捨て去られた無数の夢

熱く語らっていた仲間たちが、少しずつ大切な物を失っていくことに、寂しさを感じているかのようです。

そんな仲間達に呼びかけるような熱い言葉が並びます。

回想シーンがもたらす効果

2番のAメロ部分に回想シーンを入れることで、全体の構成に厚みを持たせることに成功しています。

1番で主人公は、『ただひたすら熱い想いを熱弁している男』という印象でした。

それが2番の回想シーンでは聴く者との距離を一気に縮めて、同じ目線で静かに語りかけているのがわかります。

『かつては自分もそうだったのに』という気持ちを、聴く者に抱かせてくれるのです。

2番サビ

2番のサビでは1番よりも柔らかくなった言葉が目立ちます。

自分だけの主張から、世の中全ての人の想いを乗せたような言葉が並び始めるのです。

どこまでも自由であろうとする

小さな夢も見れないこんな世の中じゃ POISON
自分らしさずっといつでも好きでいたい OH OH

出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎

夢を追い続ける者が感じる無力さや切なさが伝わってきます。

厳しい世の中で自分らしさを守り続けることの難しさがにじみ出てくるような場面です。

自由に生きてく日々を
大切にしたいから
行きたい道を今歩きだす

出典: POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~/作詞:反町隆史 作曲:井上慎二郎