Hysteric Blueの代表作

夢を追う女性の気持ち

Hysteric Blue【春~spring~】歌詞の意味を解釈!別れの季節を好きになる方法がある?の画像

今回ご紹介するのはHysteric Blueの2枚目のシングル「春~spring~」。

1999年1月21日のリリースから大ヒットを記録し、Hysteric Blueの名を世に知らしめました。

「春」と聞くと皆さんはどんなイメージを連想しますか?

桜の舞う爽やかな季節。

新しい生活を始める季節。

そして「別れ」の季節。

この楽曲が制作された当時、メンバーは高校生でした。

学生からしてみると「春」は大きく環境が変化する季節ですね。

不安な気持ちと、新しい未来に向けてワクワクする高揚感を感じられます。

歌詞は女性目線で描かれているのですが、男性メンバーのたくや(楠瀬拓哉)が作詞・作曲を手がけました。

歌われているのは「真っすぐ夢を追う女性の気持ち」。

ボーカルTamaの凛とした歌声に絶妙にマッチしています。

卒業間近の心境が綴られる

残されたわずかな時間

けぶる木漏れ日浴びふと気付く
春風の奥思い出す
揺れる笑顔あとわずかな時間
近くにいたかった それでも

出典: 春~spring~/作詞:たくや 作曲:たくや

ここで思い出しているのは今まで過ごした学生生活での記憶でしょう。

卒業する前というのは、不思議と実感が湧かないもの。

春の気配を感じてようやく「そっか…卒業なんだ」と感じるようになってきているのかもしれませんね。

当たり前になっていた日常。

それが終わりをつげ、皆がそれぞれの道を歩むようになる。

特に高校での卒業が持つ意味は重要でしょう。

残られた限りある時間を、大好きな仲間と大切に過ごしたい。

そんな思いが感じられますね。

周囲と見ている未来が違う

あぁ 同じ視点で見ている世界が
あぁ 二人ビミョウにズレてた

出典: 春~spring~/作詞:たくや 作曲:たくや

先ほど一緒に過ごしたいと思っていた人物との心の距離を感じているのでしょうか?

同じ位置に立っているのに、見据えている未来がちょっと違う。

いったいどんな意味なのでしょう?

これは「音楽の道を志す」ということが、周囲の人の考え方と異なることを示しているのかもしれません。

より良い企業へ就職しようとか、将来のためになる大学へ進学しようと考える人が多いのではないでしょうか?

最終的に「自分が好きなこと」で生きていく人はほとんど残らないといわれています。

そんな中でたくやは、自分の好きな音楽への道へ進もうと心に決めていたのかもしれません。

切ない気持ちが垣間見える

遠く 見つめ ポツリ 「じゃあね」
今は 同じ おひさまの下 目を覚ます

出典: 春~spring~/作詞:たくや 作曲:たくや

「今は」という風に限定しているのが気になりますね。

つまり、「将来は違うかもしれない」と思っているのではないでしょうか。

今は同じ環境で生活していても、いつか別々の世界を生きるようになってしまう。

自分の道を突き進もうとすれば、おのずと皆と違う世界を選ぶことになる。

ちょっぴり疎外感を感じているのかもしれません。

複雑な心境

こういう夢なら もう一度 逢いたい
春が来るたび あなたに逢える
そういう気持ちでチクリと心が痛む

出典: 春~spring~/作詞:たくや 作曲:たくや

ここでは具体的に何を望んでいるのか明示されていません。

しかし、おそらく「別れてしまう人とまた再会したい」という願いであることが読み取れますね。

後ろ髪をひかれる気持ちと、新しい世界へ飛び込みたい気持ち。

その2つが共存した複雑な心理状態なのだと思います。

自分を変えた出来事