やしきたかじん・代名詞の1曲

今も愛されるあの歌声

【やしきたかじん/やっぱ好きやねん】歌詞の意味を解釈!今でも彼を思い続ける主人公の女心を紐解く!の画像

大阪の大スターとして2014年の没後も愛され続けている、やしきたかじんさん。

「視聴率男」と呼ばれたこともあり、冠番組で見せていた軽快なトークが魅力のひとつでした。

でもやはり、たかじんさんの人気の理由と言えば一番は「歌」ですよね。

情感に溢れていて自然に心に沁み込んでくる独特なあの歌声……。

数ある名曲の中でも「この1曲」と聞かれたらあなたは何と答えますか?

恐らく「やっぱ好きやねん」をあげる方が多いのではないでしょうか。

1986年にヒットしたこのシングルにより、たかじんさんは「大阪の歌手」として広く認知されました。

ではさっそくたかじんさんが「やっぱ好きやねん」を歌っている映像を見ていただきましょう。

冠番組で熱唱

たかじんさんの追悼番組で流れた映像を見ていただきました。

たかじんさんが在りし日にご自身の冠番組でゲストを前に歌っている姿です。

桑名正博さんや天童よしみさんなど長年のご友人を前に歌うたかじんさん。

すごくノッて歌っているのが分かりますね。

この曲はたかじんさんの代表曲ですから、歌唱を求められることは多かったと思います。

歌いすぎて飽きてしまうことってないのでしょうか?

そんなことも考えてしまいますが、たかじんさんはいつも歌に真摯に向き合っていました。

歌うとき用のスイッチが体のどこかに備わっているのかもしれないですね。

「大阪のスター」のワケは……

【やしきたかじん/やっぱ好きやねん】歌詞の意味を解釈!今でも彼を思い続ける主人公の女心を紐解く!の画像

こんなにも素晴らしい歌を歌うたかじんさんなのですが、東京ではあまり知られていません。

大の東京嫌いを公言し、東京でご自身の冠番組を放送するのさえ拒否していたのです。

東京の人が「たかじん? 誰?」と言うのも仕方がないかもしれません。

皮肉にも闘病の末に亡くなられ、追悼番組が放送されたことで知った人もいたのでは……。

当時「ミヤネ屋」が既に関東でも放送されていました。

たかじんさんと親交が深かった宮根さんからたかじんさんの話が聞けたのが嬉しかったです。

では次は歌詞を見ていきましょう。

それでも、やっぱ好きやねん

しゃあない人や、あんたは……

もう一度やり直そうて
平気な顔をして いまさら
さしずめ振られたんやね
あんた わがままな人やから

嘘のひとつもつかないで
出てったくせに
過ぎた事やと笑ってる
あんたを 憎めりゃいいのにね

やっぱ好きやねん やっぱ好きやねん
悔やしいけど あかん
あんた よう忘れられん
やっぱ好きやねん やっぱ好きやねん
きつく抱いてよ 今夜は

出典: やっぱ好きやねん/作詞:鹿紋太郎 作曲:鹿紋太郎

主人公の女には「心底惚れた男」がいました。

でもその男はいわゆる「だめんず(ダメ男)」です。

一方的にフッておきながらあっさり「やり直そうやー」と笑って会いに来るような男。

新しい彼女にフラれたんだと女はすぐに分かります。

だってダメなうえに「わがままな人」なのですから。

別れるとき、悪びれずに「すまん、彼女できてもーた」とか言って出て行ったクセに。

女だって思います。

「めっちゃムカつく。あほか。どのツラさげて帰って来とんねん。

ウチがどんだけ泣いたか知らんやろ。お前の顔なんか見た(く)ない」

心の中ではそう思っています。

だけど男の笑顔を見ているとそんな気が失せていくのです。

「……ホンマ、しゃあない人や……」

女は結局、文句のひとつも言えず男を許してしまいます。

その理由がこの一言に詰まっています。

「やっぱ好きやねん」

認めたくないけど、もうやめようと思っていたけど。

それでも忘れられない「あんた」。

女はまた、男の腕の中に戻ることを決めてしまうのです。

あたしもしゃあないわ

見慣れた街の灯が
何故だか鮮やかに 映るわ
あんたの胸で寝てると
不思議 あの頃と同じやね

一度終わった恋やもん
壊れても もともと
つくづく めでたい女やと
自分で自分を笑うけど

やっぱ好きやねん やっぱ好きやねん
あんたやなきゃ あかん
うちは女でいられん
やっぱ好きやねん やっぱ好きやねん
もう離さん 言うてよ

出典: やっぱ好きやねん/作詞:鹿紋太郎 作曲:鹿紋太郎

男とまた暮らすようになり、女の日々が彩りを取り戻していきます。

男がいなかった日々なんてまるでなかったことのようです。

傍(そば)で男の鼓動を聞いて眠ることに心から幸せを感じているのでしょう。

一度は失くした恋。

また失くすことを考えていたらこの男とはいられません。

「そういう男」を好きになってしまったのですから。

女は自身のことも「ダメな女」と思いながらそれでも笑います。

「今が幸せ」その思いだけが女を支えているのです。

ずっと一緒におってな