相手を少しでも感じたい主人公の嘆き

あなたの時間だけが止まって 私の時間は進んでる
星になったなら 今すぐ私に 流れてください

出典: 冬空/作詞:小竹正人 作曲:春川仁志,Safari Natsukawa

この歌詞からやはり主人公の想っている相手がこの世にはもういないということを理解できます。

相手の過ごしていく人生の道はもう途絶えてしまったのです。

それなのに自分の人生はこれからも続いていきます。

「なぜ君の人生は終わってしまったのに私の人生は続いていくのだろう」。

「君と一緒に人生の道を進んでいくはずだったのに」。主人公の嘆きが手に取るように伝わってきます。

そして主人公は相手がもし何かに転生しているのなら、私の元へ現れて欲しいと願っているようです。

主人公は姿形は違えど、君の心と意思を感じたいのではないでしょうか。

もし生まれ変わった相手に出会えたとしたら、主人公はたっぷりの愛情を注ぐことでしょう。

ここでは主人公の、相手を少しでも感じたい悲痛の願い。

そしてその願いから感じる、相手への捨て切れない想いを読み解くことができるのではないでしょうか。

冬の吐息に喩えられたもの

冬空に吐き出す息は 色濃くこの想い乗せられそうで
お願いよお願いだから 届いて 決して逢えない あなたの元へ

出典: 冬空/作詞:小竹正人 作曲:春川仁志,Safari Natsukawa

冬の吐息には白い色が付きます。

夏では目に見えることのなかった人の吐息を視認することができるのです。

そして人の吐いた息は冬の空へと登っていきます。

その光景が、まるで天国にいってしまった相手への想いを具現化したもののように感じているのです。

しかしその見えていた吐息も次第に冬の空気の中に消えていってしまいます。

もう届くことのない想いのように、天にも届くことなく途中で薄れていってしまうのです。

どうやっても届かない吐息と想い。

それでも想いを抱き続ける主人公の、ひたむきで一途な愛情には切なさが溢れているのです。

漏れ出る主人公の本音に胸を締め付けられる

抗うことのできない時の流れ

シンと 降り積もった 雪の中に 青春が埋もれてしまう

出典: 冬空/作詞:小竹正人 作曲:春川仁志,Safari Natsukawa

街に降り積もっていく真っ白な雪。

町の綺麗な部分も汚い部分も全て雪の下に埋まっていき、真っ白に染まっていくのです。

まるで思い出や感情が時間と共に少しづつ埋れていくように。

今までの幸せに過ごした日々や募っていた想いも、いずれは時が全てを過去のものにしていくのです。

しかしそれに抗うことはできません。

ここでは抗うことができないのは理解していてもその現実を受け止められない葛藤。

埋れて欲しくないと願いつつも、抗えない主人公の苦悩を透けてみることができるのではないでしょうか。

押し殺してきた主人公の本音

ずっと 一緒だと思ってた あなたが恋しい

出典: 冬空/作詞:小竹正人 作曲:春川仁志,Safari Natsukawa

今まで1人ぼっちで冬の景色に相手を投影し、感傷に浸っていた主人公

しかし冬の景色を見れば見るほどに相手への想いは募り、そして抑えきれなくなってしまいます。

できるだけ毅然とした態度でやり過ごしてきました。

ですがついに主人公の必死に抑えてきた想いが溢れ出してしまうのです。

君に会いたい」。

ただただ想うのはもう1度一緒に笑って、抱き合って、過ごしていきたいという想いです。

この言葉にするとたった一言程度の言葉にどれほどの想いが詰まっていることでしょうか。

おそらく計り知れないほどの心の痛みと嘆き、そして愛情が込もっていることでしょう。

主人公がなかなか見せることのなかった涙。

ここでは描かれていませんが彼の目には大粒の涙が光っていることは言うまでもないかもしれません。

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE【冬空】の歌詞解説〜まとめ〜

辛い時は思い切り泣いたら良い

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE【冬空】歌詞の意味を解説!の画像

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE】の【冬空】。

この歌詞を読み解いていくと冬景色にリンクする主人公の心情を感じることができました。

大切な人を亡くしてしまった激しい悲しみと逃げ出したくなるような絶望感。

そしてもう想いが届かないという現実が、まるで冬の寒さのように突き刺してくるのです。

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE】が伝えたいメッセージ。

それは辛い時には泣いてもかまわないのだということではないでしょうか。

自分の感情を表にさらけ出せば、少しは楽になるかもしれないのです。

主人公も毅然な態度を振る舞おうと必死に自分の気持ちを抑えてきました。

しかしそれでも想いは募り、そして感情が溢れ出すのです。

辛い時は辛い、寂しい時は寂しい。感情を出すことは自分を守る手段なのではないでしょうか。

この曲には、大切な人を亡くしてしまった人の引き裂かれるような心の痛み。

その痛みを理解してくれる歌詞と、感情の逃し方のおかげで救われるような楽曲だったのではないでしょうか。

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